これは心理学的にはごくあたりまえの現象だ。人間関係は「生き物」なのだ。出会った頃の愛情と情熱を瓶に詰めて、想いが永続することを願っても、結婚の現実はそうはいかない。山あり谷あり、浮き沈みもあれば、横へそれたり後ろ向きになったりもする。結婚生活で唯一予測可能なのは、時間の経過とともに2人が経験する避けられない変化だけだ。
恋愛を研究する科学者たちは、夫婦や長年連れ添ったパートナーの関係性を把握する尺度をあれこれと考案してきた。そのひとつが、次に示す「夫婦関係満足度尺度」である。各項目にどの程度同意できるかで、関係に修復が必要かを確認できる。
1. 私とパートナーはお互い完璧に理解し合っている
2. パートナーの性格特性や習慣に何の不満もない
3. 結婚生活における役割分担に満足している
4. パートナーは私のどんな気分も理解し、共感してくれる
5. 2人の間の意思疎通に問題はなく、相手に理解してもらえていると感じる
6. 私たちの関係は成功している
7. 2人の間で物事を決めたり揉め事を解決したりする際のやり方に納得している
8. 互いの経済状況や家計の管理に満足している
9. 2人の関係において、私のニーズは満たされている
10. 余暇や2人の時間の過ごし方に満足している
11. 互いの愛情表現や性生活に不満はない
12. 親としての責任の果たし方に、互いに満足している
13. パートナーとの関係を後悔したことは一度もない
14. 両親、義理の両親、友人たちとの関係に満足している
15. 互いの宗教上の信条・価値観の実践に不満は全くない
こうしたテストの結果は2人の関係の現状に対する寸評にはなるが、パートナーとの関係性は絶え間なく進化し続けるものだという点に留意が必要だ。進化のしかたもカップルによって異なるが、そこに共通の順序があることを突き止めた研究があるので紹介しよう。