北米

2023.10.25

クラウド事業が成長鈍化のアルファベット、株価5%超安

Christoph Soeder/picture alliance via Getty Images

グーグルの親会社アルファベットが10月24日発表した第3四半期(7-9月期)決算は、売上高が前年同期比11%増の766億ドル(約11兆5000億円)を記録し、アナリスト予想の760億ドルを上回った。

第3四半期の売上高に占める広告収入は596億ドルで、その内訳はグーグル検索の広告収入が440億ドル、YouTubeの広告収入が80億ドルだった。同社の広告収入は、昨年の第4四半期から今年の第1四半期にかけて減少した後、9%の上昇に転じており、マクロ経済の逆風にもかかわらず、企業が再び多くの広告費を投じていることを示している。

しかし、クラウド事業の売上高は84億ドル、利益は2億6600万ドルと、どちらも市場予想を下回った。同事業の伸び率は前四半期の28%増から22.5%増に鈍化した。

これを受け、アルファベットの株価は時間外取引で5%以上も下落した。これは、同じく24日に決算発表を行った競合のマイクロソフトのクラウド事業が、市場予想を上回り、株価を約5%押し上げたのとは対照的だ。

アルファベットの株価は、人工知能(AI)ブームの波に後押しされて年初から50%以上上昇した。同社の株価は、今年の春頃には、マイクロソフトが支援するChatGPTがグーグルの市場シェアに与える影響を懸念されたことや、独自の生成AIプログラムが不評だったことを受けて低迷していた。しかし、第2四半期決算の利益が予想を上回ったことで、アルファベットはAIブームの「犠牲者」ではなく、むしろ恩恵を被る側であることを投資家に確信させた。

9月にグーグルの創立25周年を迎えたアルファベットは、米司法省から独占禁止法違反の訴訟を起こされている。同社は、コスト削減のために数多くの巨大テック企業が雇用を削減する中で、今年は世界で4%の人員削減を行った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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