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2023.11.03

高級レストランで店から「一流の客」と囁かれる52のマナー:着席まで

Extreme Media / Getty Images

4.香水はつけるな

ワインの価値の半分は香りです。それを邪魔する香水をたっぷり振りかけてくるのは自殺に等しい。強い香水をつけているだけで「ああ、ワインに興味が無い人なんだな」と、お店からもホストからも判定されてしまいます。他の客にも迷惑であり、私は何度か「隣のテーブルの香水がキツい」という理由で席を代わってもらったことがあります。すなわちそのような人物は営業妨害といっても過言ではありません。フランス料理を食べる上で香水は百害あって一利なしです。

入店から着席

5.女のコートは男が脱がせろ

一般的にはお店の方がコートを脱がせ預かろうとしてくれますが、そこはあえてホストである男性がその役割を担ったほうがカッコイイです。あくまでもホストがゲストをもてなしているという印象を植え付ける。もちろん男性が脱ぐ際はお店の方にお手伝い頂いてOKです。

6.テーブルに着く前にお手洗いに行っておけ

ヘヴィなフランス料理では食事時間が3時間を超えることもしばしば。食事中に中座するのはエレガントでないため極力避けたいところ。したがって、食事をスタートする直前に膀胱を空っぽにしておくほうがスマートです。食事前に丹念に手を洗う最後のチャンスでもあります(フランス料理は手づかみで食べる機会が意外と多い)。

7.常にレディ・ファーストを心がけよ

常に女性が優先されるよう振舞って下さい。女性にドアを開けて差し上げるのは当然のこと、館内を歩く際も自然に女性が前に来るよう促す。逆に言うと、女性はヘンに遠慮することなく堂々と先陣を切って歩いて下さい(もちろん先頭にはお店の案内人がいます)。

ただし例外として、階段がある場合は常に男性が下に来るように。具体的には降り階段では男性が先、昇り階段では男性が後ろです。これは女性が段差で転倒した際に男性が華麗にお姫様抱っこでキャッチできるようにするためです。

8.女性を上席に座らせろ

女性(または接待される最も偉い方)を上席に座らせましょう。「上席ってドコだよ」という方でもご安心を。これは実に簡単で、女性は男性の前を歩いており、お店の方が最初に案内し椅子を引いた席が上席です。

基本的にはそのテーブルにおける最も奥の席が上席であり、例外的に夜景が自慢のテーブルであれば、その夜景を最も堪能できる席が上席となります。まあ、あまり深く考えずお店の方に促されるままに動けば良いでしょう。女性は男性に対して妙な気遣いを見せることはなく、店員が指定した席に堂々と着いて下さい。

9.着席・退席は椅子の左側から

着席ならびに退席は常に椅子の左側からです。これは昔々の衣装の名残り。一般的に人間は右利きが多く、基本的に剣は左腰に差していました。そのため右側から椅子に座ろうとすると剣が邪魔で座りづらい。したがって自然と着席ならびに退席は椅子の左側から行うようになったのです。現代では非合理的なルールですが、そういうものだと割り切りましょう。


筆者=タケマシュラン。レストラン紹介メディア「タケマシュラン」運営。日本ソムリエ協会ワインエキスパート、SAKE DIPLOMA。C.P.A.認定チーズプロフェッショナル。

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