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2023.10.14

MS、アクティビジョン買収をついに完了 英当局が承認

Sergei Elagin / Shutterstock.com

米マイクロソフトは、米ゲーム大手アクティビジョン・ブリザードの約690億ドル(約10兆円)での買収を完了した。アクティビジョンが13日、米国証券取引委員会(SEC)に提出した文書で明らかにした。買収計画は昨年1月に発表されたが、各国の規制当局による審査に長期間にわたって阻まれていた。

アクティビジョンは提出文書で、買収計画が英国の競争・市場庁によって承認されたと説明。同庁は承認の理由について、マイクロソフトがクラウドゲーム分野における競争に関する同庁の懸念に対処したと説明した。

マイクロソフトのゲーム部門を率いるフィル・スペンサーは、欧州連合(EU)欧州委員会と交わした約束通り、欧州の消費者は今後、アクティビジョンのゲームをクラウド経由でストリーミングで遊べるようになると述べた

マイクロソフトはアクティビジョン買収により、ゲーム事業の売上高でテンセントとソニーに次ぎ世界3位の企業となる。

ゲーム業界史上最大となるこの買収計画については、米国と英国の規制当局が懸念を示し、審査を行っていた。ソニーは、買収によってPlayStationのユーザーがアクティビジョンの「Call of Duty」などの人気ゲームをプレイできなくなる可能性があると警告。マイクロソフトはその後、今後10年間にわたり「Call of Duty」の新作をPS向けにも販売することを確約する契約をソニーに提示した。

カリフォルニア州の裁判所は7月、マイクロソフトのアクティビジョン買収を認める判決を下した。欧州委員会も、マイクロソフトがアクティビジョンのゲームを他のクラウドサービスでも遊べるようにすることに同意したことを受け、買収を承認していた。

マイクロソフトは、2020年にゲーム大手ベセスダ・ソフトワークスを所有するゼニマックス・メディアを75億ドルで、2016年にはリンクトインを262億ドルで買収している。そのほかのゲーム会社買収としては、「HALO」を開発したバンジーの買収(2000年)や、「バンジョーとカズーイの大冒険」を開発したレアの買収(2002年)などがある。(編集注:バンジーはその後、再び独立し、2022年にソニーにより買収されている)

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太・編集=遠藤宗生

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