ディズニー、ゲーム大手EA買収を検討? 実現なら誰得の悲劇に

EAのゲーム「STAR WARS ジェダイ:サバイバー」(Miguel Lagoa / Shutterstock.com)

ディズニーは長年にわたり、ゲーム開発事業を放棄し、その代わりにさまざまな開発企業にライセンスを付与する形をとってきた。だがそんな同社が現在、大手企業の買収を通じ、再びゲーム業界に大きく切り込もうとしている可能性が報じられた。買収対象として挙げられているのが、エレクトロニック・アーツ(EA)だ。

ブルームバーグ通信の報道によると、ディズニーの幹部たちはボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)に対し、EAを買収してゲーム業界に再参入するよう働きかけている。ただ、アイガーはその是非を決めかねているという。

この案は昨年の時点ですでに検討されていたとみられるが、EAはさらにNBCユニバーサルやアップル、アマゾンとも協議を行っており、今のところ結論は出ていない。実際、アマゾンがEA買収で合意したという情報が一時報じられたこともあったが、誤報であったことが判明している。

ディズニーのゲームコンテンツは、同社が自社開発したものも、ライセンス事業を通じて開発されたものも、当たり外れが激しい。EAの作品では、『STAR WARS ジェダイ』シリーズが成功した一方、『Star Wars バトルフロント』シリーズはひどい状態で発売され、長い時間をかけて修正しなければならなかった。

マーベルのライセンス事業はより厳しい状況で、スクウェア・エニックスが発売した『Marvel's Avengers』と『Marvel's Guardians of the Galaxy』がいずれも不振に終わっている。最も成功したマーベルのゲームは間違いなく、ソニーの『Marvel's Spider-Man』だが、この背景には、スパイダーマンのキャラクターの権利がソニーとディズニーの間で分割されているという複雑な事情がある。

ディズニーのEA買収が誰の得にもならないであろう理由を、以下に挙げよう。

ディズニーの経験不足

ディズニーは長年にわたってゲーム分野で何ら手腕を発揮しておらず、EAのような巨大パブリッシャーを買収したからといってそれが変わるとは思えない。EAが完全な独立運営を許されればうまくいくかもしれないが、ディズニーがEAと他の分野とのシナジー効果を狙っているであろうことを考えると、その可能性は低い。すでに苦境に立たされているディズニーは、自社の経験不足が露呈している業界での事業運営を強いられることになる。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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