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2023.10.17 11:30

大阪アトツギ団結物語 雑多な産業をつなぐ「文化祭」の真髄

大人が本気になる場、それが大阪・八尾発のFactorISM(ファクトリズム)だ

仕事で「ただ通う場所から、集う場所へ」

「みせるばやお(注1)ができ、ただ通う場所から集う場所へと従業員の意識が変わりました」と、みせるばやおの会員のある企業からある日こんな風に感謝の言葉をいただきました。(注1:八尾市の中小企業コンソーシアムであり、ものづくり体験施設の名称)
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その言葉の真意を聞いてみると、知らない企業がたくさんあり、仕事の関係だけだった企業ともみせるばやおのイベント企画やワークショップの運営をやっていくうちに、まちの人との文脈がたくさんでき、結果、ただ単に仕事のために来てたまちという意識からまちとのつながりや帰属意識が芽生え、「まちに関わるために集う場所がみせるばやおなんだ」と、ありがたい言葉をいただいたのを今でも鮮明に覚えています。

この関係性の変化こそがコミュニティが芽生える瞬間だと思っています。そして大人の社会にも高校生のときのように味わったなんとも言えない一体感を作り上げ、一気に関係性が構築するようなまつりごと、なにか目標に対して短期的にでも一致団結する「文化祭」のような仕組みが必要だと思い、FactorISM(ファクトリズム)というオープンファクトリープロジェクトを2019年に立ち上げました。

大人にも青春はある! アトツギたちの文化祭

FactorISMは、Factory=工場、ISM=主義、主張、Tourism=旅での体験・体感プログラムを掛け合わせた造語で、単なる工場見学や産業観光とは違う新たなムーブメントをものづくりの集積地から起こし、日本のものづくりの誇りを取り戻すために私が名付けたものです。グリーンツーリズムやマイクロツーリズムなどと同様の捉え方ができるようにしました。

FactorISMは2020年からはじまり、「こうばはまちのエンターテインメント」を合言葉に、ものづくりの現場を一般開放し、人々の生活を支え、世界を魅了するものづくりを五感を通じて体験、体感できるオープンファクトリーイベントです。

今年で4年目となりますが、回を重ねる毎に、その熱量は伝播していき、35社ではじまった小さなムーブメントが今では83社、11エリアにまで拡大し、止まる所を知らない巨大プロジェクトになってます。
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また単なるイベントではなく、コミュニティのような機能を果たしており、アパレル業界のアーバンリサーチや、近鉄電車、南海電車、京阪電車などの電鉄会社ともまちこうばがコラボレーションする「共創の窓口」へと進化し続けています。よく他地域のオープンファクトリーと何が違うのか聞かれると、私はこう答えています。

『アトツギたちの文化祭』とサブタイトルを打ったように、地域のものづくりのまちというアイデンティティを後に継いでいくことが使命であり、文化祭を企画するように「自由に、楽しく、自分事にしていく」ところに違いがあります、と。
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文=松尾泰貴

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