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2023.07.31

私が「変態・行政マン」になるまでの道のり

みせるばやおで開催した「FactorISM」のイベントに登壇する松尾泰貴(一番左)

私、松尾泰貴はインターネットで「八尾 変態」と検索すると出てきます。どうしてこんなことになったのか。

これから、全国有数の中小企業が集まる大阪府の八尾市という人口26万人都市を中心に、まちづくりで起こっている変化についてご紹介していこうと思っています。Forbes JAPANの「スモール・ジャイアンツ イノベーター」として新連載「仕事には夢を まちづくりには愛をを始めます。

まちづくりを語る前に、はじめましての方もいらっしゃるので、簡単に自己紹介を。現在は大阪府八尾市に所在するインテリア・エクステリア製造販売の友安製作所で働いています。ソーシャルデザイン部担当執行役員として、ものづくり企業の立場からまちづくりに関わっています。

変態するきっかけは公務員時代に味わった理想と現実のギャップ

前職は、八尾市役所。入庁当初から秘書課で5年、産業政策という中小企業支援を立案し、実行する部署に8年在籍していました。

実は「まちづくりがしたい、まちの営業マンになりたい」と考えて市役所に入庁したので、広報やシティプロモーション、官民連携などの部署に行きたいと希望を出していました。しかし、配属されたのは、秘書課。入庁1年目にして一気に落胆したんです。

通常の業務ではもちろん黒子で、調整事項ばかり。中々、気分が浮かない日々が続きました。学生時代は好きなことに注力し、好きなことをしてきた自分にとっては、非常にショックでした。こんなにやる気があるのに、なんでなの?と。でも、仕事の希望が通らないのは当たり前のこと。ただ単に自分にその実力もなければ、実績もない。

そこで、まずはまちづくりで、いまできることをやってみようと決意します。仕事ではまちの営業マンにはなれないけど、プライベートでやってしまおう。1人でもまちを紹介できるツールを考えようと、そんな想いでまちを知るために仕事以外の時間で、食べ歩きのブログを開始しはじめます。

売り込むまちの魅力を知る まちの人に出会う

八尾市は産業のまちで約1万2千社の企業がひしめいています。最初は、「ものづくりの魅力」を伝えることがいいんじゃないかと思案するも、なかなか、ものづくりの会社に気軽に訪問はできないと感じた私は、食べ歩き、おいしいものを紹介することで、まちを元気にできないかと思いつきます。

思い立ったら、即行動。たくさんのまちの飲食店をリサーチしてリストアップ。平日の夜、土日と時間があれば、飲食店に出向き、お客さんが減ったタイミングでお店の方に話しかけ、どういった経緯で起業したのか、前職やお店の売り込めるポイントを聞き周り、おいしそうな写真とともにブログに掲載するということをはじめます。

10件、20件と掲載しているうちに読者がついて、「こんなお店が近くにできたので行ってみてください」とリクエストももらえるように。いま思えば、非常に充実した日々でした。
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文=松尾泰貴

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