実装も中途半端だ。これはスタンドアロンのアプリで、物体の温度を測定するという単一機能を提供する。実際には、検出温度は明らかに物からの距離に左右され、不安定だ。どの距離が信頼できるのか? 素材が違っても同じなのだろうか? 鋳鉄、マットな金属、光沢のある金属の違いは判別できるのだろうか? そして、表面温度は素材に関係なく同じであるべきではないだろうか?
唯一の明白で、現場で意味を持つ使用方法は、体温を計ることだ。しかし、米国でそれを行うためには、グーグルはPixel 8 Proを医療機器として認可される必要がある(そしてそれは各地域で医療機器としての認可が必要である可能性を示唆している)。Pixel 8 Proのデザインはおそらく2020年から2021年の間に決定されたと思われるが、体温の上昇を感知することは、当時の人々の頭の中で最も重要なことだったのだろう。
仮に機能が整い、認可が下り、体温を計り始めることができたとしても「なぜ」という疑問は残る。この追加はどこからともなく出てきたものだ。
Pixel 8 Proが登場するまでは、グーグルはスペックシート上でこのような「ブレ」を避ける態度を示してきた。ソフトウェアとハードウェアが1つの方向に集中して動いている中、1000ドル(約14万9000円)の未来のビジョンに、ちょっとしたおもちゃを追加するための時間とリソースを使うことは明らかな問題だ。
もしグーグルが、世界中のすべての携帯電話に温度計を搭載すべきだと本当に考えているのならとっくの昔に実装されていたはずだ。では、なぜここにあるのだろう?
(forbes.com 原文)