Pixelの新機能が魅力的で革新的だといって紹介されるときには必ず、グーグルのプレゼンチームはその機能を「グーグルならではの方法」で実現したものだと発表した。フレーズは、1度ならず使われている。これはPixelが単なるスマートフォンではないことを意味する「声の感嘆符」だ。Pixelは特別な存在なのだ。
これはまた別のスマートフォンメーカーも使っているフレーズでもある。何年にもわたりアップルは、製品発表の際に「アップルにしかできない方法」でとその新機能を強調してきた。
おそらくグーグルは、この明白だが口にしたくない微妙な模倣で、Pixel 8と8 Proを最近発売されたiPhone 15と15 Proに連想してもらうことに期待しているのかもしれない。
ハードウェア、ソフトウェアから部品にいたるまで、ほぼ差別化できないスマートフォンで埋め尽くされたこの世界で、突出した製品を作ることが不可能に近い。Androidを管理しているおかげで、グーグルはほとんどのメーカーよりも目立った位置に立ち、かつAndroidエコシステム全体の方向に影響を与えている。しかし、コード変更だけでは十分ではない。変更を広める伝道師が必要だ。
そこでグーグルは、Tensor G3チップセットのAI機能、生成AIを画像編集に応用したMagic Editor、7年間のソフトウェアアップデート、テレビドラマ『CSI:科学捜査班』にインスパイアされたズーム機能、そしてデバイスの新機能の数々で注目を集めた。すべて「グーグルだけにしかできない方法」によって。これは、アップルには言えないものだ。
(forbes.com 原文)