働き方

2024.01.06 10:00

週2・2時間営業、ラストオーダー18時半の鉄板焼き屋が「最適規模」な理由

仕事、家族、趣味、何に時間を使いたいか

読むふるさとチョイス

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「2店舗目である飲食店『にこみ鈴や』を出店したのも、知人がきっかけでした。飲食店をやってみたかった気持ちもあって、お誘いを受けました」

2010年の夏、初の飲食店をスタートした。

「僕はどの店も積極的に自分から始めたというより、チャンスをいただいた中からやりたいことをやってる感じなんですよね。金持ちになりたいわけでもないし、店舗を増やしたい訳でもない。ベルを始めてちょっとした頃は東京出店も考えたんですけど、大変やし、良い骨董ってそもそも数が多くないし、やっぱ京都がええなと(笑)」

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現在、にこみ鈴やとベルはスタッフに任せることができているという。

「ベルをオープンして、最初の二年くらいは一人で回してて、めちゃくちゃ働いてましたね。自分の時間をどうやって作ろうかずっと考えていて、結局スタッフが入ったのは三年目くらい。もちろん一時的に収入は減りましたけど、しばらくしたらスタッフのおかげでちゃんと戻ってきました。みんな本当に優秀で助かってます」

ただ、スタッフに任せて時間を作ることも、次のビジネスではなく自分のためだと言い切る。

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「昼寝したり酒飲みに行ったりしたいですから。最近はパラパラ漫画描くのにハマってますけど、そういう時間をもっと作りたい(笑)。まあ結果、ニューオーモン始めたりしちゃってますけどね」

ニューオーモンは現状利益がほとんどないというが、他で稼ぎ口があるからリスクが取れる。

ひとつの“事業”じゃなく全体のバランスで考えるのは、人生においても同じ。仕事以外の、家庭、趣味、生活、何に時間を使いたいかは自由だ。

数年後をシミュレーションをする

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俗にいう “好きなことを仕事にする” ことだけが正解とは限らない。性格や運やタイミングもあるだろう。好きなことでなくとも、自分のライフスタイルに合った仕事や心地いい生活を作るために、前田さんがやってきたことがあるかを伺ってみた。

「月並みなんですけど、先のことをシミュレーションするようにしています。だいたい3年後、5年後、10年後にどんな感じで生活しているか、結構具体的に考えていますね。で、途中でやりたいことを思いついた時に、それをやるパターンとやらないパターンを考えます」

新しい事業のアイデアが浮かんだ時、良い物件と出会った時、良いビジネスパートナーになれそうな出会いがあった時。その都度シミュレーションをしてみるという。

「『まずは生活のために稼がないと』とか『定職に就いて働かないと』とか、固定概念に縛られてることは結構多いと思います。その固定概念すらも退けて、フラットにイメージしてみるといいと思います」

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今後のビジョンを伺ってみた。

「今やってることもそうですが、一番好きな骨董の仕入れは特にやり続けていきたいですね。僕の軸です。でも歳を重ねたらしんどくなってくると思うから、長く続けられるように規模は小さくしながら」

好きな仕事をしているのだからプライベートは諦める。子育てがあるからやりたいことを我慢する。地元に仕事がないか都会に出る。両極端な選択肢で自分を狭めずとも、何か方法や抜け道はあるはずだ。

小さな事柄を日々天秤にかけながら、理想の生活は作れることを教わった。

文=古矢美歌

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