魅力的なサービスや技術を生み出し成長を続けるイノベーティブな企業の組織風土。そのカルチャーの育て方、磨き方について、研磨加工企業を営む私が深掘りする新連載「イノベーションを生む組織カルチャーの磨き方」を始めます。
初回にご紹介したいのは、宮城県仙台市のSKグループ。古紙回収業と廃棄物処理業を長年手掛けてきたこの会社が、近年新業態や新サービスを次々と展開しています。
震災廃棄物の撤去で、町中を走り回った収集車
SKグループは、現在サイコー、SKトレーディング、ステップスナイン、SKホールディングスの4社から構成され社員数は251名。サイコー(1973年設立)は新聞・雑誌・段ボールなどの古紙や廃棄物の収集を行う同社の祖業。この会社は東日本大震災の時には絆パッカー車といって全国から励ましのメッセージを車体にプリントした収集車で震災廃棄物の撤去に町中を走り回り地域のみんなを励ました。
筆者はそのとき廃棄物収集トラックを見るたびに心が熱くなり、それ以来この会社のファンなのだが、この会社のブログによるとコロナ禍の際は地域の住民が家庭ごみの袋に「ドライバーさんいつもありがとう」というお手紙を多数貼ってくれていたらしく、まさに地域に愛される会社といえる。
SKトレーディングは廃棄物コーディネート業。廃棄物コーディネート業とは、大手量販店と契約し、ショッピングモールなどから出されるあらゆる廃棄物に対して適切な処理がされるよう管理する業務だ。またショッピングモール店頭での消費者向けのSDGSイベントや子供向けリサイクル教育事業の企画運営も行っている。(※イメージ図PPT)
ステップスナインでは、古紙リサイクルステーションの運営を行っている。スーパーマーケットなど全国400以上の加盟店の店頭に古紙リサイクルステーションの設置、消費者はアプリを通じてリサイクルポイントを得て店舗での買い物や災害支援などへの寄付につなげることができる。このアプリも自社開発している。
このように古紙の収集業からスタートした会社が、時代が求める新しいビジネスを次々に繰り出している。この会社の齋藤孝志社長にお話を聞いた。