経営・戦略

2023.09.28 13:30

アマゾンの事業目標に変化、eコマースのセラー支援を拡充

Tada Images / Shutterstock.com

カンファレンスで取り上げられた主な機能とサービスは以下のとおりだ。

1. 倉庫でのフルフィルメントと配送

アマゾンフルフィルメントのサービスは、アマゾンでの注文に対応するだけでなく、商品購入がプライム経由の場合、セラーのDTC(直接販売)サイトでの注文にも対応する。加えて、セラーがフルフィルメントの支援を必要とする場合、実店舗やアマゾン以外のサイトも含め、アマゾンは在庫をあらゆるチャネルに配送する。

2. 世界各地の倉庫と配送

アマゾンは現在、アマゾン・ウェアハウジング&ディストリビューションという川上の保管施設を持っている。アマゾンのサプライチェーンが提供するこの新サービスは、同社のフルフィルメントネットワーク全体でセラーの商品を保管・発送することができる。アマゾンで販売されていない商品も扱う、包括的な物流ソリューションを提供する。

3. 配送サービス

自社で注文を管理して対応するセラーが利用できるもので、Amazon Transportationのネットワークにアクセスできる。アマゾンで受けた注文だけでなく、自社のDTCウェブサイトや倉庫など他の販売チャネルを通じた注文の商品も配送することができる。

4. 出荷・在庫管理ハードウェア

Veeqo Scannerは企業向けの倉庫フルフィルメントスキャナーで、セラーが自社の在庫を管理するのに役立つ。対象となる出荷のコストの最大5%がセラーに還元される。

5. 融資と財務に関するインサイト

セラーは昨年、Amazon Lendingの外部パートナーを通じて20億ドル(約2965億円)以上を借り入れた。現在、条件を満たしたセラーは500万ドル(約7億円)以上を借りることができ、ベンダーに直接支払うことができる。アマゾンチームはコスト削減の取り組みの提案も行っている。

6. 商品と市場の調査

アマゾンは毎日多くの買い物客を見ている。買い物客からデータを入手し、そうしたデータをセラーが利用できるようにしている。このような情報へのアクセスは、商品やマーケティングの展開を改善するのに役立つ貴重なツールだ。

7. 顧客関係管理

販売パートナーは、顧客の動向や過去の傾向について知見を得られるカスタマー・ロイヤルティ・ダッシュボードにアクセスできる。このようなデータは、顧客との長期的な関係を管理するのに有用だ。また、アマゾンの買い物客とコミュニケーションを取ることもできる。
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今日のアマゾンのビジネスモデルは、アマゾンと外部セラーの真の提携を反映している。長期的な関係を支えることになるプロの意識が加わり、将来にわたって事業を強化する温かい関係を保証する。筆者は、外部セラーがよりプロと化し、独創的になり、そして成功するようになることで、時間とともに外部セラーの売上の割合が60%からさらに増えると確信している。アマゾンの総合的な事業展開における洞察力には感心するばかりだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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