またニューラルエンジンの演算スループットがA16 Bionicの2倍になった。この「2倍」を体感することは、現時点ではあまりないかもしれない。おそらくカメラの深度判別や被写体の切り抜き、文字や音声の認識精度など、信号処理の品位が変化するだろう。
しかしどちらかといえば、これから数年をともにする端末が、OSアップデートで進化するための余力を備えたと考える方が妥当だろう。なお、Pro版は空間ビデオ撮影に対応し、Apple Vision Proで再生できる立体的な動画を記録する機能が年内に提供されるという。
iPhone 15 Proに、この新しい望遠カメラが搭載されないのは、望遠カメラの脇にプリズムを置くスペースがないのだろう。またPro Maxには256GBモデルが存在しないという違いもあるが、端末の軽量化を感じやすく望遠カメラが搭載されているため、15 Pro Maxを中心に検討するのが良さそうだ。
もちろん、サイズの面でフィットしない場合もあるだろうが、今年のモデルは昨年までと比べて本体の角に小さな丸みが施されており、手のひらに収まりやすくなっているという。実物を手に取って、許容できるかどうかを確認したい。
なお、同じUSB-C採用でもこちらはA17 ProがUSB 3.0に対応しているため、USB 2.0だった従来の20倍に相当する高速転送モードが利用可能になった。供給電力も多くなっているため、充電速度も上がると見られる。
iPhone 15シリーズが、大幅にお買い得度を上げたことは確かだが、ではiPhone 15 Pro/Pro Maxが単なる高額モデルかといえば、それも異なる。従来と同じ価格の枠組みを維持しながら、あらゆる面で最新の技術を投入している15 Pro/Pro Maxもまた、価格に対する性能、機能、質感という面で十分にお買い得な設定である。