そのため建築材はじめ、インテリアや小物まで、できる限り地元のものを使っているとのことだ。また、宿の日々のオペレーションもサステイナブルポリシーに則っている。一例をあげると次のようなものだ。
・使い捨てアメニティを設置せず、プラスチック製品も館内ではほとんど使用しない
・ペットボトルは設置せず、フロントにウォーターサーバーを設置
・建築や家具にはできる限り地元産の木材を使用
・他地域でつくられたお土産は販売しない
・食事やドリンクもフードマイレージを最低限にすべく、地元で生産されたものを使用
・オンライン化可能な書類(宿帳、ツアー申込書等)は全てオンライン化
「ここまでの道のりは長かったけれども、ようやく3合目にたどりついた」という山田氏の言葉のとおり、サステナブルツーリズムの実践とは、終わりなきステップへの挑戦でもあるのだろう。
ともあれ、彼らのサステナビリティと企業の社会的責任に関する長期的な取り組み、そしてフロントランナーとしての位置づけが世界から評価されたという事実に対しては、ぜひとも日本の他の自治体、企業などにもいま一度、しっかりと目を向けてほしいと願っている。
Travelifeのツアーオペレーター部門代表のナウト・クスターズ氏も「ツアーオペレーター部門におけるサステナビリティが勢いを増していることを嬉しく思っています。フロントランナーであるSATOYAMA EXPERIENCEの受賞は、日本の他の企業にも同じ道を歩む勇気を与えるでしょう」とのメッセージを贈っている。
最後に、山田氏に次の目標を尋ねると「まずは「Travelife Certified」の取得をめざしつつ、いままで岐阜県はもとより、日本各地のクールな田舎をプロデュースしてきたように、将来は海外のクールな田舎をサステナブルにプロデュースしたい」という力強い言葉が返ってきた。
「SATOYAMA EXPERIENCE」
https://satoyama-experience.com/jp/