白昼堂々、ウクライナ国旗などを掲げた戦車が整然と並んでいる。重量61トン、乗員4人のレオパルト2A4の周りを乗員たちは気楽に臆することなく歩き回っている。装甲大隊を構成しているこれらの戦車がロシア軍の大砲の射程圏内に入っていないのは明らかだ。
この動画がいつどこで撮影されたのかはわからないが、ウクライナ南部のどこかで最近撮影されたものと思われる。ウクライナの技術者たちはレオパルト2A4に国産の爆発反応装甲(ERA)コンタークトのブロックを徐々に取り付けている。ERAは砲弾やミサイルが命中すると外側に向かって爆発するため、爆風の向きを部分的にそらす。
ERAが取りつけられたレオパルト2A4を、一部の人は「レオパルト2A4V」と呼ぶ。動画のレオパルト2戦車はすべてA4Vだ。数週間前であれば、ERAを搭載したレオパルト2を大量に並べることは不可能だっただろう。技術者らはつい最近、追加の装甲を施した。
ウクライナは今春、120mm滑腔砲を搭載した1980年代に生産されたレオパルト2A4を40両受け取った。カナダやデンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、スペインなどが供与した。
About two dozen Ukrainian Leopard 2A4 tanks with Kontakt-1 ERA. pic.twitter.com/9pfyp3Op9A
— Clash Report (@clashreport) September 2, 2023
第47旅団と支援する旅団は、最近解放されたロボティネからロシアが占領するトクマク、そして最終的にはメリトポリへと伸びる約80kmの軸に沿って戦っている。
ウクライナの同盟国は3種類のレオパルト2を計85両供与することを約束した。A4とA6、そしてかなりの装甲が施されたスウェーデンのストリッツヴァグン(Strv)122だ。A4は来年輸送される予定の14両を除いてすでにウクライナに到着している。ウクライナが失ったとされる5両を差し引くと、66両のレオパルト2が現在運用されている。
その約半数が、先の動画のために南部前線の後方の1カ所に集結していた。18両のA6は6月初旬から戦闘に従事しており、動画に映っていないのは当然だ。一方、10両のStrv 122は160km以上離れたウクライナ北東部クレミンナの西方で防衛戦を戦っている。
映像に映っていないのはA4が8両だけだ。その8両の戦車がどこにあるのかを推測するのは難しくない。ほぼ間違いなくポーランドにあり、戦闘で損傷したため修理中だ。それらの一部にはこれからERAのブロックが取り付けられると思われる。
結局のところ、動画はウクライナ軍がまだほぼすべてのレオパルト2を保有していることを示している。第33機械化旅団は無傷で、装甲を強化した戦車を反攻に再投入する準備が整っているようだ。
(forbes.com 原文)