映画

2023.08.25 14:30

映画『バービー』 北米興収でマリオ抜く 今年最大のヒット作に

安井克至

Kathy Hutchins / Shutterstock.com

グレタ・ガーウィグ監督の映画『バービー』が24日、北米での興行収入が『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を超え、公開からわずか35日で今年最大のヒット作となった。

米娯楽誌バラエティによると、『バービー』の北米興収は公開から5週間余りで5億7540万ドル(約840億円)に達し、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の5億7400万ドルを超えた。

ボックス・オフィス・モジョによると、『バービー』は公開から28日間連続で興収1位を維持。だが5週目となる先週末、DCコミックス原作の映画『ブルービートル』に首位の座を奪われた。同週末の北米興収は『ブルービートル』が2540万ドルだったのに対し、『バービー』は2150万ドルだった。

『バービー』は、公開4週目の週末興収が5200万ドルを突破。『マイ・エレメント』や『スクリーム6』のオープニング週末興収(それぞれ2950万ドルと4440万ドル)を超えた。

ボックス・オフィス・モジョによると、今年の新作映画の北米興収3~5位は、上から順に『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(3億8100万ドル)、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(3億5900万ドル)、『リトル・マーメイド』(2億9720万ドル)となっている。

『バービー』は米国で7月中旬に公開されて以来、数々の記録を塗り替えてきた。公開から3日間の北米オープニング週末興収は今年最高の1億6200万ドルに達し、スーパーヒーロー映画でも続編でもない作品としては過去最高を記録。

北米興収は先週、それまで『アナと雪の女王2』が保持していた女性監督作品の最高記録を更新。23日には『ダークナイト』を抜き、ワーナー・ブラザースの北米公開作品としては最高となった。

『バービー』は世界興収でも『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を上回りそうだ。バラエティ誌によれば、『バービー』の世界興収は13億ドルで、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の13億5000万ドルに迫っている。

『バービー』は世界各国でヒットしているものの、一部の国では上映が禁止されている。アルジェリアとクウェートは、ジェンダーやセクシュアリティに関連したテーマへの批判から、上映を禁止。

ベトナムでは、南シナ海で中国が領有権を主張する領域を示したかのような地図が登場するシーンがあったことで、上映が禁止された。だがワーナー・ブラザーズはベトナム側の主張を否定し、地図は「子どものお絵描き」に過ぎないと説明している。

今後、さらに複数の国で上映が禁止される可能性もある。公開が今月末に迫るレバノンでは、当局が他の中東諸国に追随して同作の上映を禁止する可能性に言及している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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