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2023.08.23 11:45

点と点はいずれつながる。山田早輝子が語るジェネラリストの世界

リチャード・ブランソンと繋がって一緒にプロジェクトをしたい人は、世界中にごまんといます。「私はあれができる」「僕はこんな繋がりがある」……そう周りがアピールする中、私は自分の言ったことを小さいことでもきちんと形にするようにしました。全体を考える時もただ寄付を募るだけではなく、地域の人々に仕事を創出して自立を支援するサステナブルな提案をしました。勢いや口先だけではなく、ひたすら真面目に対応したことで、好感を得られたのだと思います。

ある時、リチャードのお母さま(イブ・ブランソン)が誕生日を一人で過ごすということを耳にして。リチャードの誕生日も近かったので彼のお祝いに行く人が多かったのですが、私はイブに声をかけていただき、彼女の元へ行こうと、南仏に向かいました。大切な人の大切な人を大切にするという自然な思いからでした。

Virgin UniteのチャリティオークションでCo Chairを務めた。リチャード・ブランソンの母イブさんと(Getty Images)

Virgin UniteのチャリティオークションでCo-Chairを務めた。リチャード・ブランソンの母イブさんと(Getty Images)


若い世代は年配の方と関わることが少なく、どちらかというと避けてしまいがちかもしれません。でも、積極的にコミュニケーションを取ると、思わぬ幸運に恵まれることがあります。私は20代の後半に、マーベル・コミックの「スパイダーマン」「アベンジャーズ」などの漫画原作者であるスタン・リーと親しくなり、お互いの誕生日会を主催するなど娘のようにかわいがってもらいました。ダイバーシティというと人種や性別が連想されがちですが、年代の多様性も重要です。

図らずも「コネクティング ザ ドッツ」が起こる

私のキャリアを振り返ると、日本の商社で働いた後、アメリカに語学留学し、ボランティア活動に勤しみ、ロサンゼルスで映画のプロデュース会社を設立。帰国後に、日本ガストロノミー学会の代表、クールジャパンプロデューサー、フードロスの削減を推進するフードロスバンクの設立など、活動は多岐にわたります。

それぞれ継続しているのですが、ジェネラリストよりスペシャリストが重んじられる日本では、ただの怪しい人ですよね(笑)。でも、一見、何の脈略もないように見えて、実はスティーブ・ジョブズが言っていた「コネクティング ザ ドッツ(点と点をつなぐ)」がいろいろなところで起こっています。

例えば、アル・パチーノとの映画の仕事は、ハイチの復興支援活動があったからです。小さなスタートアップであるフードロスバンクが大きなインパクトを与えるために、地球上の半分以上の温暖効果ガスを排出する上位の富裕層をターゲットにする際にも、ラグジュアリーブランドとの繋がりが生きてきています。非営利の活動をしたことがあるからこそ、その難しさも、大切さもわかります。
フードロスバンクの活動で、廃棄されうる古米「れすきゅうまい」とアルマーニ・リストランテを繋ぎ、リゾットを提供

フードロスバンクの活動で、廃棄されうる古米「れすきゅうまい」とアルマーニ・リストランテを繋ぎ、リゾットを提供

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文=国府田 淳 写真=小田駿一 編集=鈴木奈央

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