経営・戦略

2023.08.19 12:00

日本通運流、社員のモチベーションを一変させる方法

古江忠博|日本通運

国内約1350の営業部署を束ねる全国6ブロックとユニットに、合わせて約50名のSansan推進担当者を配置し、利活用を後押しする。各ブロックでのSansanのログイン率、コンタクトの登録件数、1人当たりの営業活動時間などのデータを可視化し、会議で発表するなどして競争心を高め、活用の底上げも図る。こうした営業マネジメント変革の施策を進める「セールスイネーブルメント部」を2023年1月に創設。会社の本気度を全社員に見せている。
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さらに、データを活用した新たな取り組みも進行中だ。Sansanに登録された顧客企業の名刺データを、役員、本部長、部長、課長、主任、社員などの役職ごとに分けて売上との相関性を検証。上位職と数多く接点が持てている会社との売り上げの方が明らかに良いという結果が見えてきた。「役員や本部長に会える関係をつくること。そのためには当社も役員、支店長クラスがきちんと出向いていく。お客様の経営課題にコミットするプロアクティブソリューション営業を進めるには、そうした関係づくりが大事だとわかりました」(古江)

名刺を活用した顧客との関係性を測るデータ分析は、Sansanとともに進めている。また、今夏には全社にナレッジワークのシステムも導入する。顧客への営業資料や過去の提案書などを整理し、簡単に閲覧、引用できるようにして、営業担当者間のナレッジ、ノウハウの共有を図るだけでなく、分析で有効性が見えた役員ら上層部へのトップセールスにも活かす考えだ。

入賞について古江は、「お客様への価値提供と自社が成長する営業の仕組みができつつある段階での入賞なので、プレッシャーも感じます。進めている取り組みの成果が早く出せるよう、今後の励みにしたいと思います」と語る。
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ふるえ・ただひろ◎日本通運取締役 常務執行役員 営業戦略本部長兼専門輸送事業本部長兼ロジスティクス・ネットワーク事業本部長。

文=斉藤泰生 写真=ヤン・ブース

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