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2023.08.10

東京の地下鉄でようやくクレカのタッチ決済が可能に

プレスリリースより

ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、ミラノなどの大都市では、もう何年も前からクレジットカードのタッチ決済で地下鉄に乗れるようになっている。日本でも、福岡市地下鉄や南海電鉄などの一部がクレカのタッチ決済を導入し始めているが、首都圏では東京地下鉄株式会社(東京メトロ)がようやく、その実証実験を開始する。ただし、2024年度中というから、まだちょっと先の話だ。

でも、クレカのタッチ決済で電車に乗れると、何かいいことがあるのだろうか? 全国相互利用が可能になった今の交通系ICカードで十分にことは足りている。自動チャージにしてスマートウォッチでタッチするようにしておけば、まったくその存在すら意識せずに使える。強いて言えばクレカのポイントが貯まるぐらいかな。

いちばんメリットを感じるのは、訪日外国人だろう。日本に来てからわざわざ交通系ICカードを入手して日本円でチャージしなければならない手間が省ける。自分のカードが使えれば、そのままさっと乗れてしまうのだから便利だ。海外で初めて地下鉄に乗るとき、どこで何をどう買えばいいのか戸惑った経験のある人なら、共感できるだろう。

今回の実験で使えるのは、タッチ決済可能なクレジットカード、デイビットカード、プリペイドカード、スマートフォン、ウェアラブル端末。また同時に、QRコードを自動改札にかざして乗れるシステムも試される。東京メトロではこれをあくまで「交通系ICカードを主軸としつつ」としているので、将来的に交通系ICカードがクレカに切り替わるというわけではなさそうだ。

今はそのメリットがピンとこなくても、決済方法の選択肢が増えるのはいいことだ。たとえば福岡市地下鉄では、クレカによる支払い上限が640円に達すると1日乗車券を買ったのと同じ扱いになり、乗り放題になるというサービスを開始した。これを機に、いろいろなサービスや特典が柔軟に取り入れられるようになれば、電車に乗るのが今より楽しくなるだろう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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