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2023.08.07 17:30

マスク、ツイートが原因で解雇されたユーザーの弁護士費用の負担を約束

安井克至

Getty Images

億万長者のイーロン・マスク(以前はツイッターとして知られていたXのオーナー)は、米国時間8月5日夜遅くの投稿で、Xに投稿したり「いいね!」を押したりしたことが原因で雇用主から「不当な扱いを受けた」人たちのために、Xが弁護士費用を負担すると述べた。

マスクはこのツイートで、Xがカバーする手数料の額には「上限はない」と付け加え、続くツイートで、Xは「ただ訴えるだけでなく、極めて大きな声で、企業の取締役会も追及する」と述べた。

マスクは当初のツイートにあれこれ返信しているが、その中には、右翼アカウント「Libs of TikTok(TikTokの自由)」が自身のアカウントをフォローしたことで誰かが解雇されたと主張するものや、ドナルド・トランプ前大統領が彼のツイッター利用について政府から 「不当な扱い」を受けたと主張するものも含まれており、マスクはそれに対して「前大統領に対するそのような攻撃的な法的措置は正しくない」と述べた

マスクが「不当な扱い」をどのように定義しているのか、また、マスクにどのように連絡すべきなのかについての詳細は提供されておらず、またこの申し出はマスクの買収直後に解雇された元ツイッター従業員にも適用される可能性があると指摘する声もある。

マスクがこの申し出をしたきっかけは不明だが、これはNASCARのドライバーがジョージ・フロイドを嘲笑するインスタグラムのミームに「いいね」を押したということから、出場停止処分を受けた直後のことだ。

2022年10月にツイッターを買収し、着任したマスクは、いきなりコスト削減のために数千人を解雇し、公然と自分に批判的な人物を解雇したことで、たちまち大きな話題となった。ある従業員は、仕事用のコンピュータへのアクセスを遮断されたことをツイートした後、マスクに公然と馬鹿にされた。マスクは最終的にその従業員に謝罪し「(彼は)ツイッターに残ることを検討している」とツイートした。

マスクがXを買収し、ブランド名を変更して以来、Xのプラットフォームは多くの変化と苦境にさらされてきた。マスクは言論の自由を重視し、彼が「woke mind virus(「意識高い」ウイルス)」と呼ぶものとの闘いを続けている。その姿勢がXのモデレーションポリシーを緩め、かつて禁止されていたアカウントを復活させた。しかし、広告主はこのポリシーの変更を快く思っておらず、この変化を受けて多くの広告主がXとの取引から手を引くのをマスクは見た。

英国を拠点とするある非営利団体は昨年、有料サービス「Twitter Blue」の購読者から投稿された憎悪に満ちたコンテンツを、Xがほとんど削除していないとの報告書をまとめた。このことからXは先週この団体を提訴するに至った。

週末深夜の別のツイートで、マスクはメタCEOのマーク・ザッカーバーグとの待望のUFCスタイルの戦いをXでライブストリーミングし「収益はすべて退役軍人のための慈善活動に寄付される」と発表した。マスクとザッカーバーグは、メタがツイッターの対抗馬「スレッド」をリリースする直前の6月から争いを予告していた。

フォーブスはマスクの資産額を2325億ドル(約33兆430億円)と見積もっており、彼は米国時間8月6日現在、世界で最も裕福な人物となっている。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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