イタリアの中部と南部では7月、猛暑により月間死亡者数が平年を7%上回ったことが、同国保健省の
データで明らかになった。世界各地では気候変動により気象パターンに変化が生じており、各国が対処を迫られている。
保健省のデータによると、7月は気温40度以上の記録的な暑さにより、2015~19年の同時期での平均と比較して75歳以上の死亡者数が増加。バーリ、カターニア、レッジョディカラブリアなどの都市では特に死者の増加幅が多かった。
一方、猛暑の影響をあまり受けなかった北部の都市では、死者数は平年から14%減少した。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、サルデーニャ島では7月、気温が47度まで上昇。首都ローマも40度に達した。ユーロニュースによれば、サルデーニャ島では現在、50件以上の山火事が発生しており、約600人が避難を余儀なくされている。
南欧のイタリア、ギリシャ、クロアチア、ポルトガル、スペインなどの国々はここ数カ月にわたり、熱波に見舞われており、洪水やひょうの嵐、火災が相次いでいる。イタリア保健省は7月中旬、
高温注意報を発出。英紙ガーディアンによると、北東部のモルテリアーノでは、大きなひょうを伴う暴風雨により町全体が損壊し、約8000万ユーロ(約125億円)の被害が出た。
科学誌ネイチャー・メディシンに掲載された論文によると、欧州では昨年の夏、熱波により
6万1000人以上が死亡したと推定される。
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forbes.com 原文)