気候・環境

2023.07.16 08:45

欧州各国で猛暑 アテネのアクロポリス閉鎖、イタリアなどで警報発令

ギリシャの首都アテネのアクロポリスにあるパルテノン神殿(shutterstock.com)

ギリシャの首都アテネのアクロポリスにあるパルテノン神殿(shutterstock.com)

ギリシャ当局は14日、猛暑を理由に、世界遺産「アテネのアクロポリス」への立ち入りを禁止した。気温は翌15日も上昇。欧州では近日中に史上最高気温が更新される可能性があるとも予想されている。

ギリシャの首都アテネの気温は15日、39度を超えた。AP通信によると、気温が40度を超える可能性があったことから、当局はパルテノン神殿を含むアクロポリスへの人々の立ち入りを禁止した。

一方、キプロスでは気温が40度を超える猛暑となっており、気象局は15日の気温が43度を超えると予測。イタリアの保健省は、首都ローマやフィレンツェ、ボローニャなど12以上の都市に警報を発令した。同国では15日と16日の最高気温は40度に達すると予想されている。

スペインの一部地域では11日、地表面の温度が史上最高の60度を記録。ドイツの気象庁は15日、首都ベルリンやミュンヘンを含む国内のほぼ半分の地域に高温警報を発出した。

欧州の史上最高気温は、2021年8月11日にイタリアで記録された48.8度。欧州宇宙機関(ESA)は13日、この記録が近日中に更新される恐れがあるとと警告した

最高気温記録は米国でも更新されそうだ。米国立気象局(NWS)は、カリフォルニア州デスバレーのファーネスクリークの気温が16日に世界記録となる55度に達する可能性があると予想している。

国連によると、今週は史上最も暑い週となった。今年の夏は、気温の上昇を伴う気象現象のエルニーニョ発生により、記録的な猛暑となる可能性があるとの予想されている。

既に最高気温の記録更新が相次いでおり、米海洋大気庁(NOAA)と欧州連合(EU)の気象情報機関であるコペルニクス気候変動サービスによると、先月は史上最も暑い6月となった。欧州宇宙機関は、今年は猛暑で6万人超が死亡した昨年よりも深刻な事態になる可能性があると警告している。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子・編集=遠藤宗生

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