これらの旅団は損失を被った。第47旅団だけでも数十両のM2が失われたり、修理のために後方に送られたりした。このため、ウクライナ軍は旧ソ連製のT-72戦車やBMP戦闘車両を擁する第65、118旅団など、装備の劣る旅団を投入した。
M2の装甲は厚く、被弾しても乗員が生き残る可能性は高い。一方、1960年代に生産されたBMP-1は、地雷を踏んだり砲弾を受けたりすると、乗員が大きな被害を受ける。第65、118旅団は、車両に乗り込んだ兵士たちに大きなリスクを負わせながら、ロボティネ周辺での攻撃を主導している。
ウクライナ軍は、強力な旅団をいくつか温存している。ストライカー装甲車やマルダー歩兵戦闘車、チャレンジャー2戦車を擁する重装備の第82空中強襲旅団などだ。
第118旅団のような軽装備の部隊に代わって、第82旅団などを投入すれば、ロボティネ周辺でわずかでも前進する際に兵士の命を守れるかもしれない。だがウクライナ軍参謀本部は今のところ、最強部隊を全て投入する気はなさそうだ。第47、65、118旅団がロボティネを奪還あるいは迂回してトクマクへの道を確保した後のために温存しているとみられる。
もしそうなら、ウクライナ軍の将官らは博打を打っている。現在トクマク周辺の前線で戦っている旅団に、ロシア軍の防衛線を突破できる戦力があると賭けているということになる。
(forbes.com 原文)