ディズニーは、ラテンアメリカと一部のアジア市場でもDVDとブルーレイディスクの販売をすでに終了している。同社は、米国ではDVDとブルーレイディスクをまだ販売しているが、今後は全世界で物理メディアを徐々に廃止する可能性もある。ディズニーはその理由として、売上の減少を挙げている。
デジタル・エンタテインメント・グループ(DEG)のレポートによると、2022年の米国におけるDVDとブルーレイの販売額は推定15億8000万ドル(約2260億円)で、2021年の19億7000万ドルから20%近く減少した。また、ディスクのレンタルは2021年の6億270万ドルから昨年は5億240万ドルに減少した。唯一の明るい話題は4Kブルーレイディスクの売上の増加だが、物理メディア全体の落ち込みを埋め合わせるほどではない。
一方、定額ストリーミングサービスへの支出額は、2022年に17.3%増加し、推定303億ドル(約4兆3000億円)に達したとDEGは述べている。2022年のホームエンターテインメント全体の83%近くをストリーミングが占めており、DVDは10%未満だとされている。
近年はストリーミングサービスが人気を集めるにつれ、物理ディスクの売上は減少している。ディズニーのようなハリウッドの大手は、消費者が彼らに安定的な収益をもたらす、ストリーミングに加入することを好んでいる。
ディズニーの直近の決算報告で、Disney+の加入者数は全世界で1億5780万人、米国とカナダでは4630万人とされたが、ウォール街の予測を下回った。ボブ・アイガーCEOは、来年までにはストリーミングを黒字化すると述べた。
25年前にレンタルビデオの会社としてスタートしたネットフリックスは、今年の9月29日をもってDVDの郵送によるサブスクリプションを終了すると発表した。2005年に同社は毎日平均100万枚のDVDをレンタルしていたが、2021年の総収入に占める非ストリーミングの割合はわずか0.6%だった。2007年に始まったネットフリックスのストリーミングサービスの加入者数は現在、世界で2億3839万人で、そのうち米国とカナダが7557万人とされている。
全米脚本家組合(WGA)と全米俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキが続く中、ディズニーがDVDからの撤退の動きを見せたのは興味深い。2007年から2008年にかけてのWGAのストライキの主な争点の1つは、テレビドラマのDVD化作品のロイヤリティの支払いだった。今回のストでは、ストリーミングからのロイヤリティ収入が争点の1つとなっている。
(forbes.com 原文)