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2015.07.05 16:00

米国の大学生が学ぶ「お金に関する10の事柄」

szefei / Bigstock

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スタンフォード大学のある学生は、「有給休暇」とは会社が旅行代やレジャーの費用を払ってくれることだと思い込んでいた。「水道代」というものが存在することを知らなかった学生もいた。

学生たちがお金に関してあまりにも無知なのを実感したメアリー・モリソンは、16年前に個人の資産管理についての講義をスタンフォード大学で開始した。「本当に何も知らない学生もいるんです。私の話を聞いた彼らは、まるでヘッドライトにさらされた鹿のように驚いています」とモリソン。毎年200人あまりの学生が彼女の講義を受けている。「おもしろかったけれど恐ろしくも感じた」というのが学生たちの感想だ。

講義内容を本にするよう学生たちに勧められたが、本業のファンドマネージャーの仕事が忙しくて、それどころではないとモリソンは言う。だがラッキーなことに、彼女は「フォーブス」に、重要な10のポイントを教えてくれた。

1.給料だけで仕事を決めるな
仕事を決めるにあたっては、長期的な視野を持とう。目先の給料の額だけではなく、その会社に就職することで何が得られるのかを見極めることが大切だ。会社の雰囲気がいいからという理由で決めるのも考えものだ。廊下でフリスビーができる企業カルチャーは、充実した医療保険より果たして価値があるだろうか?

2.引越しや新生活のスタートにいくらかかるのかを算出する
アパートを借りるには保証金が必要だ。引越し用のトラックも借りなくてはならないし、初任給が支払われるまでは4週間もある。給料日までにいくら必要なのかをしっかり把握しておくこと。3000ドルをポンと出してくれる親はそうそういないのだから。

3.手取りの給料がいくらなのかを知っておく
給料からは税金や保険料が天引きされる。手取り金額を把握してから、給料をどう使うか決めること。額面が同じでも、3人の子供がいる既婚の男性とは、手にする金額が違うのだ。

4.生活必需品にいくらかかるのか現実的に把握する
大学時代と同様にアパートに住んだとしても、仲間とわいわいやっていた頃とはわけが違う。交通費や医療費、食費などいろいろと出費はかさむのだ。物事を計画的に進めること。ほとんどの学生は週50ドルで暮らせると嵩をくくっているので、モリソンは教室に50ドルで買える食料を持ち込んで彼らに見せる。「米と豆だけでは暮らせない。デリにも行くし、コーヒーも買うでしょう。現実を見つめなさい」とモリソンは言う。「ペットに蛇を飼ってもいいですよ。でも、どれだけお金がかかるか分かっていればね」

5.キャッシュフローを理解する
いくら貰えるのかはもちろん、入金がいつで各種支払いはいつになるのかを正確に把握しておくこと。

6.不測の事態の備えをしておく
病気になったり、ケガをしたり。アクシデントは人生につきものだ。不測の事態に立ち向かう心構えと金銭面での備えをしておくこと。

7.デビットカードとクレジットカードを上手に使い分ける
学生もクレジットカードを持つべきだとモリソンは言う。
「盗難にあった場合、デビットカードより安全です。また、毎月クレジットカードで支払いをすれば、カードの履歴や信用情報を形成するのにも役立ちます」
ただ、外食費やガソリン代、映画代などの日常的な支払いはデビットカードのほうがいいとモリソンはアドバイスする。「毎月いくら使ったかが分かるようになります。クレジットカードは、大きな買い物をする時に使ったほうがいいでしょう」

8.借家人保険に入る
雇い主が提供する保険のオプションをよく検討すること。例えば、労災保険は誰でも必要だ。自動車保険もそれなりの補償額のものにしたほうがいい。シェアハウスに住んでいる人や、ルームメイトが居る人は、同居人が失踪するなどの、いざという場合の家賃の支払いがどうなるのか、契約書の内容を確認しておこう。

9.個人年金に加入しよう
毎月50ドルくらい給料からもっていかれるが、早く始めるほどメリットは大きい。積み重なれば大きな金額になり、老後の不安が解消される。

10.投資を怖れるな
「銀行にお金を預けることは決して安心ではありません。インフレにならないことに賭けるわけですから」とモリソンは言う。人生の早い段階から投資に関する知識を身につけ、リスクを分散することを心がけよう。

文=スーザン・アダムス(Forbes)/ 翻訳編集=速水由美

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