キャリア

2023.07.25 14:30

AIは大卒者の就職準備と雇用者の採用計画の両方に再考を迫る

安井克至
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雇用主にとっての主要な発見

AIは雇用者の採用計画にも影響を与えている。雇用者の半数以上(57%)が、特定の新人レベルの仕事、あるいはチーム全体が、AIによって置き換えられる可能性があり、新たに登場する技術のために多くの従業員が今後3〜5年間でリスキリングまたはアップスキリングする必要があると考えている。

5人に3人近くの雇用主(59%)が、AIの発展が採用時に重視するスキルを変える原因となったと報告し、66%が、採用を検討する新たな従業員に「人間独自」のスキルを求め、これまでの職務経験が採用決定において重要になると語っている。

雇用者の多く(79%)が、従業員が現在の職務でAIや他の新技術と並行して働くための訓練を受けることで便益を受けられると強く認識している。また、68%が、自社の従業員の多くが今後3から5年間で新しいスキルを学ぶ必要があると述べている。それは現在の役割を最新の状態に保つためであり、同時に新技術が役立たずにする可能性のある役割を置き換えるためだ。

人材を探すことは依然として難題である。雇用主の半数(53%)が2023年でもまだ人材を採用するのに苦労していると報告している。これは2022年の65%からは改善している。この苦労の結果として、雇用者のほぼ半数(48%)が、後から職場でスキルアップする必要があることがわかっている人物でも採用する意欲があると述べている。

大学の学位はそれほど重要ではなくなっている。現在の雇用主の半数(50%)だけが新人レベルの仕事に2年または4年の学位を必要としており、これは2022年に62%だったことと比べると減少している。2023年の雇用主の多くが、スキルトレーニングの証明を必要としていると答えている(33%)。これは2022年に26%だったことと比較して増加しており、これは卒業生が語っている「学位の必要がない求人が増えている」ことと一致している。

この調査結果の意味を解説するニュースリリースで、 Cengage GroupのCEOであるマイケル・ハンセンは、こう語っている「職場は過去数年間で急速に変化し、今、AIが労働者の生産性、職務要件、採用の習慣、さらには産業全体を形成し始めるという新たな変化を目の当たりにしています。新しいテクノロジーは、労働力にとって新たな不確実性と新たな機会の両方をもたらすものなので、教育者と雇用主は、今日の労働者がこうしたテクノロジースキルに対応できるよう、もっと準備しなければなりません」

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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