ジャンルに特化した生成AI
Vendictは、生成AIブームの波に乗っている。AIに特化した中国の調査会社Zhidongxiによると、世界の生成AIスタートアップ51社が今年上半期に調達した資金の合計額は約138億ドル(約1兆9000億円)に達したという。「経済環境が厳しい中、ベンチャーキャピタルが受けるプレッシャーは高まっているが、生成AIスタートアップには依然として多くの資金が流入している」と、米調査会社ピッチブック(Pitchbook)は述べている。また、ここ数週間で生成AIスタートアップ数社が買収されている。例えば、データブリックス(Databricks)はMosaicMLを13億ドルで買収することに合意し、トムソン・ロイター(Thomson Reuters)は法務AIスタートアップ「Casetext」を6億5000万ドルで傘下におさめた。
生成AIソリューション市場は急速に拡大しており、多くの企業はVendictのような特定ドメイン向けに訓練されたモデルをテストしたいと考えている。Capgeminiが公表した最新の調査によると、米国のビジネスリーダーの81%が生成AIを強く支持しており、調査を行った米国企業の61%がすでに生成AIの専門チームを設立し、予算化も行っているという。調査対象となった世界の企業経営者の70%は、生成AIによって知識労働者の役割範囲を拡大することが可能になると考えている。
マッキンゼーは、生成AIが年間2兆6000億~4兆4000億ドルもの経済効果をもたらすと試算している。これは、同社が以前試算したAI全体がもたらす経済効果を15~40%増加させることになる。「生成AIは仕事の構造を変える可能性がある。従業員の作業の一部を自動化することで彼らの能力を補強することができる」と同社は述べている。VendictがGRCやセキュリティの専門家の能力を補強するのがその良い例だ。
(forbes.com 原文)