2023.07.09 12:00

無人EVが自動でやって来る、そんな時代がすでに始まっている

今のところ、というか、絶対的にシームレスな運行が保証されるまで、当分はHALO.CARの車両についていく追跡車両に従業員が乗っていて、車両の進行を監視し、必要に応じて介入することができる。
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当初の車両は約20台で、リモートモードでの運行中は時速40km/hに制限される。遠隔操作区域自体は、ラスベガスのダウンタウンにある1.5平方キロメートルのエリアであり、近い将来、より広いエリアでの配車が計画されている。

ただ、ラスベガスでの無人EVの運行には全く問題がないわけでもない。このドライバーレスEVの最高速度が時速40km/hと聞くと、疑問が浮かぶ。安全性ももちろんだが、この速度では当然、大渋滞を起こしてしまう。他のドライバーをイライラさせることによって、事故を招く可能性もある。

Halo.Carの動画(2分12秒)

実は日本でも似たような実験を行なっていないわけでもない。2年前、横浜市内で日産自動車がNTTドコモと協力し、オンデマンド配車サービス「AI運行バス」を用いた「Easy Ride」の実証実験を2021年9月21日から開始した。
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配車予約はNTTドコモのスマートフォン向け配車アプリ「AI運行バス」を使って、行きたい場所を地図から直接指定する以外に、ショッピングや食事、観光などのカテゴリーから目的地を選択することが可能。200人ほどの一般人モニターが参加したけど、実験は2021年10月末で終了した。

私はこういった運転者のいないEVに同乗者として何度か乗ったことがあるが、技術は素晴らしいものの、複雑な交通状況下でのスムーズでシームレスな遠隔運転という点では、実際の操作にはまだ多くの疑問が残る。

また、「レベル4」つまり、ドライバーが完全に不要になる自動運転の運行自体、日本ではまだ始まったばかりで、今年5月、福井県でその運行が開始。遠隔ドライバーが必要な仕組みの次のステージだが、全国への広がりが期待される。高齢化でバスやタクシーの若い運転手が減っている日本では、実は他国より期待が高まるかも知れない。

普通に人間のドライバーが運転する車両や、歩行者、自転車、しかもこれから増えそうな電動スクーターなどと一緒の道路環境で走行するには、まだまだ研究開発が必要だろう。ブレードランナーの世界を、この目で見られたら面白いのだが。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

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