アトリエ内は、様々な素材やマテリアルに触れ興味を持つきっかけとなる「興味エリア」、種類豊富な色や質感、道具の中から自分の気になるものを見つける「探索エリア」、アトリエリスタと一緒に空間、構造、視覚など多様な視点からプロジェクトに取り組み自分の表現を深める「表現エリア」の3つのエリアに分かれています。
大阪湾を一望できるロケーションを活かして、外の風景もアトリエの延長に感じられるような設計になっているため、子供たちが自然と外の光や色も自分の作品に取り込んで探究を深めている姿も良く見られるのだそう。
一般的な室内遊び場と大きく違うと思ったのが、子供たちの様子。
アトリエ内は基本的に保護者付き添いなのですが、誰が誰の子供か分からないくらい、子供たちが1人の世界に入りもくもくと遊んでいるのです。その眼差しは真剣で、とても集中しているので、まさに探究しているという表現がぴったり。
我が家の2歳と6歳の子供たちも、いつもはすぐに「これ見て」「こっちに来て」と私たちと一緒に遊びたがるのですが、ここではアトリエリスタの方々のサポートを受けながら、興味の赴くまま探究心を満たしているようでした。
リゾナーレ大阪総支配人 福本博隆氏によると、リゾナーレ大阪でレッジョ・エミリア・アプローチを体験してから、普段の遊び方が変わったというお客様の声もあるそうです。
ホテルの客室にも創造力を遊びこむというコンセプトが反映されていて、「アトリエルーム デラックス」では天井から張り巡らされたネットに自由に登ったり、壁や窓に専用の色鉛筆でお絵かきを楽しむことができます。
「乳幼児教育×旅」で生まれる新たな可能性
世界中で注目が高まっているレッジョ・エミリア・アプローチ。日本でも、「まちの保育園」の他、最近ではインターナショナルスクールを中心に取り入れるところが増えてきているといいます。しかし、幼稚園や保育園に入園させるというと一大決心が必要になるので、旅先で気軽に先進的な教育を体験できるのが有り難いですよね。
筆者もこれまで子供の創造力を育むため美術館や博物館に連れて行ったり、お絵かきや製作などのプロジェクトに参加させたりしてきましたが、やはりプロによって計算し尽くされた環境に身を置くとこんな違うんだと実感しました。
子供との旅というと自然体験というイメージがありましたが、「乳幼児教育×旅」でまた新たな旅の形が生まれていきそうですね。
清水裕美子(しみず・ゆみこ)◎日本航空(JAL)の客室乗務員として国際線ビジネスクラス、ファーストクラスなどを含め約5年乗務する。退職後はCA流美容コンサルタントとしてセミナー、メディアなどで活動するほか、日本初のCAが発信する総合情報サイト「CA Media」を主宰。また、CAと足のスペシャリストがタッグを組んだ、足から始めるトータルウェルネスブランド「Feel The Feet」のプロデュースも行う。著書に『ファーストクラスCAの心をつかんだ マナーを超えた「気くばり」』(青春出版社、2020年7月刊)など。人生をより豊かにする旅とライフスタイルのWebマガジン「Riche More(リシェモア)」運営。