キャリア

2023.06.30 08:30

クリエイター「妄想する決算」流、好きなことをして暮らす方法

──将来的に大きくお金を稼ぎたいとか、こうなりたいという夢や野望はありますか。

お金のことはあまり考えていないんです。いまは生活できているけど、いつできなくなるかわからない。それは、誰もが一緒ですよね。20代ぐらいで自分なりにいろいろやってみて良かったと思っているのは、いざとなったらご飯食っていけるだろうという自信は持てるようになったこと。将来の事もあまり考えていないんです。

いまの活動を将来的にずっとやるつもりはないけれど、負担になっていないので他の事をやりながらでも音声だったら続けられるとは感じています。ただ、やめどきを見つけるのが大事だとも思うんです。やめてから10年後ぐらいに、あの時代はこういうのがあったねと振り返ってもらえるような存在がいい。アーカイブを読み返したり、聞き直したりして、「思い出」として楽しめたらいいなと思うんです。

「妄想する決算」という名前に込めたように、決算書から色々なことを想像して話していますが、やっぱり外れるんですね。この業界はこれから伸びるとか、結構外れます。世間は変数が多いので、思いもよらなかった変化や変動が起きたりします。それも含めて時代を表している。

例えば、以前はオンラインお見合いが流行るとは思えなかったけれど、コロナになったらすごく流行った。全然違うじゃないかと読者から怒られることもあります。

──クリエイター活動を長く続けられる秘訣や、楽しみはなんでしょうか。

資料を読むのが単純に楽しいです。読み込んでいくと、新しい発見もある。だから、今この業界がこうなっているんだという気づきや発見を自分の中で見つけたときがうれしいです。決算情報だけでなく、自分の持っている情報と決算の情報を組み合わせて、情報がつながる瞬間も楽しいです。その喜びを伝えたいと思います。

活動を始めたばかりのころは、承認欲求が大きかったと思うけれど、しばらく経つと興味がなくなりました。お金の面でも、別に得られる仕事の収入の方が全然大きかったので、お金でもないし、承認欲求でもない。そんな感じになってきて、不思議な感じでやっているんです。仕事という感覚もなくて、趣味とも違う。ただ、自分が話をして、それを聞いてくれる人がいるというのが驚きだし、いい環境だと思います。一番大切なのは、無理なくやり続けられることでしょうか。


妄想する決算◎コンテンツクリエイター。独自の視点を交えて企業の決算書を解説。国内外の企業の決算報告書を基に情報発信している。ユニークなキャラクターで雑談のコーナーも人気。1990年福島県生まれ。Voicyパーソナリティとして、「10分で決算が分かるラジオ」を放送中。

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