管理職への昇進条件は「外部経験」 金融機関で行われたチーム改革

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3. 変化の成功体験を得る(製造業C社)

変化し続ける力をつけるには、何よりも体験してみることをオススメしています。

このコロナ禍で、多くの方がオンラインミーティングに抵抗がなくなったのではないのでしょうか。

システム自体はコロナ前からあり、日本マイクロソフトをはじめ、当たり前のように活用する企業もありました。しかし日本の多くは海外と会議するときに使用するものという特別感もあり、ミーティングはほとんど対面でした。

INDUSTRIAL-Xのお客様にも、業務改善で3分の余剰を生み出すより、会議の移動時間5分を無くした方が簡単に生産性工場できますよと、何度もお話ししましたが、受け入れてはもらえず、対面継続ということがありました。「オンラインミーティングを体験したことがないのでわからないが、こちらの要望が伝わらないのではないか」ということでした。

しかし、コロナ禍で実際に使用してみると録画ができて欠席者にも情報共有ができるようになり多くの利点を得ることができていたのです。

こうした「やってみた結果、意外とできた」という体験が、変化に対するチャレンジのハードルを下げていきます。

そのチャレンジをする際、PDCAサイクルではなく、ぜひ「図1 OODA(ウーダ)」というモデルも活用してみてほしいと思います。先が見えない世の中で、内容によっては計画時と検証時では条件が異なっている可能性もあります。



それであれば、まずは現状を見て(Observe)、状況を認識して(Orient)、その状況から施策を決定し(Decide)、実行してみて(Act)、またその結果を観察する。

実際、製造業C社で、業務改革を進めるために、OODAモデルを活用してアプリの開発を行っていきました。結果、いままで半年くらいかかっていたシステム導入が、1カ月でトライアル導入することができ、半年後には複数業務に変革できる組織へと変化しました。

いまの不確実な世の中では、ある意味実行したもの勝ちです。いかに早く変化し変革できるかが決め手となりますので、現状、自分がいま変化に気付き動けるのか、ぜひ見直してみましょう。


中村祥子(なかむら・しょうこ)◎2000年4月より現日立ソリューションズでソフトウェア品質保証エンジニア、プロジェクトマネージャー、システム導入コンサルタントを歴任。2019 年より日本マイクロソフトに入社しカスタマーサクセスマネージャーに従事。お客様の事業ビジョン実現に向けて、デジタル活用や組織のチェンジマネジメントをお客様とともに推進。2022年11月よりINDUSTRIAL-Xにて事業開発ディレクターとして、企業DXのみならず産業DXにも挑戦中。「人生一度きり」をモットーに、東京と静岡の二拠点生活、伊豆市CIO補佐官にもチャレンジしている。

文=INDUSTRIAL-X・中村祥子 編集=露原直人

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