だが、酒類市場の調査会社インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・リサーチ(IWSR)の最新報告によると、米国の2022年ワイン消費量は前年から2%減少したものの 、40歳未満の飲酒は勢いを取り戻している。また、プレミアム以上のカテゴリーでは消費量が6%増加したことがわかった。
ワイン飲酒人口も拡大しており、ワインを飲む習慣がある人はこの1年間で1400万人増加した。その多くは40歳未満で、新たに飲酒可能年齢に達したZ世代も含まれている。IWSRが指摘しているように、25~54歳のコア消費者層のみならず、飲酒可能年齢のZ世代でもワイン人気が高まっているのだ。
「米国のワイン市場は、二面性が強まっている」とIWSRのリチャード・ハルステッド最高執行責任者(COO)は述べている。「あまり熱心ではなく価格に敏感な(多くの場合は高齢の)消費者は、ワインを飲む習慣を減らしたり飲むのを完全にやめたりしている。一方で、より熱心で習慣的にワインを飲む(一般的に若年成人の)消費者は、影響力を増している」
毎月ワインを飲む人のうち、40歳未満は31%に上る(2021年は28%だった)。飲酒可能年齢の若年層が以前より頻繁にワインを飲むようになっている。
ハルステッドはこの点について、「若年成人層は高齢者ほど頻繁にワインを飲まないかもしれないが、それでもパンデミック前よりも多くの人がワインに親しんでいることが示唆されている」「重要な違いは、飲酒可能年齢の若者がより習慣的にワインを飲むようになり、ワインを購入する際にはより多くのお金を使う傾向があることだ」と説明した。
この飲酒可能年齢の若者たちは、上の世代とはアルコールとの付き合い方が異なる。冒険心は強いが、ワインの産地や品種についてはあまり知らない。「有名なブランドや品種への関心も薄れてきている」とハルステッドは言う。
IWSRの報告書は、こうした若年層の顧客を獲得したければ、ワイナリーは独創的なブランディングやメッセージ発信を行い、各商品の価値をアピールする必要があると指摘している。