調査では、現役大学生の72%が、自分の州のリプロダクティブ・ライツ関連法がその大学に在籍を続けるかどうかの判断に多少なりとも影響すると答えた。この回答をした人の割合は、民主党支持者では80%、共和党支持者では62%だった。
中絶禁止法が自分の考えに影響すると答えた現役大学生のうち、圧倒的多数の81%が、「リプロダクティブ・ヘルス・サービスへのより大きなアクセスが認められている」州の学校には通い続ける可能性が高いと答えている。この割合は共和党支持者の間でも65%に上っており、支持政党にかかわらず、多くの学生が州レベルの中絶禁止法に影響を受けていることが示されている。(この割合は、民主党では86%、無党派では85%だった)
調査は2022年10月26日~11月17日、準学士号または学士号を取得中、あるいは修了証や認定プログラムを受講している現役学生6008人と、こうした教育機関に通っていない成人6007人を対象に実施された。
男性の場合、法律が自分の考え方に影響を与えたと答えた人の割合は、女性よりわずかに低かった。現役男子学生の68%が、自分の州のリプロダクティブ・ライツ関連法が、今の学校に通い続けるかどうかを決める上である程度重要だと回答。この割合は、女子学生では76%だった。また、中絶に関する法律が重要であると答えた男子学生の74%が、比較的規制の緩い州の学校に通いたいと答えている。
米国では十数の州が中絶禁止法を制定しており、中には大学に直接影響を与えるような追加政策をとっている州もある。例えば、アイダホ州では州職員を対象とした規制の制定を受け、州立のアイダホ大学が職員に対し、職務中に中絶を推進することは重罪とみなされる可能性があると警告した。
中絶の権利が米国人に広く支持されており、特に若者が中絶禁止に反対していることは、過去の世論調査でも示されてきた。各地の大学は新型コロナウイルスの大流行によってすでに危機的な状況に陥っており、大学生や入学希望者が中絶を禁止する州の学校に否定的な見方をすることは、そうした学校にとってさらなる痛手となる恐れがある。NPOのナショナル・ステューデント・クリアリングハウスによると、2019年から2022年にかけて大学学部入学者数は8%減少。米国労働統計局によると、減少幅は過去最大を記録した。
中絶禁止はこのほかにも、一連の影響をもたらしている。中絶提供者が重罪に問われる恐れがある州を去る医師が相次いでいるほか、医学生の勧誘や訓練への影響が生じたり、従業員が他州への転勤を求める原因となったりもしていることが報じられている。
(forbes.com 原文)