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2023.04.18 09:45

急増する配膳ロボット、高級店での客の反応は

GettyImages

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コロナ禍により一気に普及した感があるのが、飲食店での配膳ロボットです。人手で運ばれないシステムとしては、回転寿司などが挙げられますが、レール上を行き来するのみで注文の品によっては、人手で運ばれることもあります。

配膳ロボットは、既存の店舗に導入できるシステムで、厨房からお客さまのテーブルまで、注文の品をロボット自身が通路や障害物を判断しながら運んでくれるもの。2021年にすかいらーくホールディングスが配膳ロボットの導入を決め、ガストやしゃぶ葉などほとんどの店舗で運用されており、配膳ロボットを体験したことがある人も多いことでしょう。

そんな配膳ロボットに関する消費者の意識調査をすかいらーくホールディングスに大量導入したDFA Roboticsが行いました。ただし、この調査は単価が7000円以上の高級料理店に月1回以上行くような人を対象にしています。

まず、単価7000円以上の高級飲食店で配膳ロボットを活用した接客に対し抵抗を感じるか問うたところ、ほぼ半分に意見が割れました。抵抗感がないと回答したのはシニア世代のほうが高く49.5%で、Z世代は41.4%と低くなっています。

抵抗を感じる理由として、「なんとなく味気ない気がするから」が50.8%、「人と人とのコミュニケーションが減るから」が41.8%、「比較的高いお金を払っているから」が41.2%と続きます。Z世代の意見としては「それなりのお値段がするのにロボットが配膳するのは雰囲気が合わない」「今のレベルのロボットにホスピタビリティを感じられない」などで、シニア世代の意見では「接客も店の魅力の1つだから」「高級店の雰囲気が感じられない」などと、どの世代も高級店と現状のロボットでは不釣り合いであり、接客もサービスの1つと考えているようです。

どんなシチュエーションであれば、配膳ロボットに抵抗を感じないかという問いには、「配膳ロボットがお店の雰囲気に合っている場合」が42.4%、「人による対面接客の質が高い場合」が42.4%、「家族連れが多いお店」が31.6%となっています。やはり、店舗の品位や雰囲気によって大きく感じ方が違うことが伺える結果となっています。

ただ、配膳ロボットによる非対面接客と人による対面接客とではどちらがいいかの問には、全体で見ると「人による対面接客を望む」人は52.7%と半数を超えるぐらいですが、シニア世代は65.4%と比重が高くなっています。

配膳ロボットのほうがいいという人は、「人の当たりハズレがない」「気兼ねなく食べられそう」「感染対策にもつながり衛生的」などの回答があり、コロナ禍で面と向かったコミュニケーションをとるのが面倒になったり、感染対策を考えると人と接するのを避けたいという人も少なくないようです。

筆者も配膳ロボットをガストで体験しましたが、特に説明はないので最初は品物が届いたときどうすればいいのか戸惑いました。ただ、猫の顔で表情を作ったり、喋ったりする姿は愛らしく、ちゃんと人を避け、他の配膳ロボットに道を譲ったりとよくできていると感じました。繁忙時間帯だと配膳ロボットだけでは追いつかないこともありますが、スタッフの負担は大幅に軽減されているのではないでしょうか。人材確保が難しいいま、人手を補うためにもこうしたロボットに助けを借りるのは必要ですし、高級料理店でもロボットの改良や使い方によっては満足度の得られる接客ができるのではないでしょうか。

出典:DFA Robotics「配膳ロボットに関する消費者の意識調査」より

文=飯島範久

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