米疾病対策センター(CDC)によると米国人の2021年の平均寿命は76.4歳で、1996年以来25年ぶりの短さになっている。平均寿命が前年より縮んだのは2年連続だった。
カリフはCNBCの番組で、米国の平均寿命はほかの高所得国と比べて3〜5年短いと指摘し、ここ数年、状況は「良くなるどころか悪くなっている」と続けた。
そのうえで「なぜ米国はほかの高所得国のように医薬品を効果的、効率的に利用できていないのでしょうか。それには、人々が考え方の面で影響を受けたものに基づいて行っている選択が大きくかかわっています」と語った。
平均寿命の格差を生む要因として、従来挙げられてきた人種やエスニシティー、教育、所得などに加え、新たに誤情報の拡散が加わっているとの認識を示したものだ。
カリフは、なかには誤ったものもある情報がインターネットを介して無数の人に瞬時に伝わる状況のもたらす影響に対しては、FDAも備えができていなかったと説明。こうした状況は「わたしたちの健康に非常に有害な影響を与えている」と懸念を示した。
カリフはバラク・オバマ政権の末期にもFDA長官を務め、2021年にジョー・バイデン大統領によって再起用された。
カリフは、誤った情報の根絶に向けて、FDAや米連邦取引委員会(FTC)といった関係機関は規制の質を向上させていく必要があるとの考えも示した。
カリフは昨年のCNNのインタビューでも、米国での新型コロナウイルス感染症の流行をめぐり、ワクチンをスケジュールどおりに接種し、感染した場合も適切な抗ウイルス治療を受ければ「死者はほとんどいないはずだ」と主張。だが現実には、人々は誤った情報によって本来健康に望ましくない選択をしているとし、誤った情報は米国で死亡の主な原因となり「平均寿命も蝕んでいる」との見解を示していた。
(forbes.com 原文)