デンマークが移民要件を緩和 どうすれば移住できるのか?

デンマークの首都コペンハーゲン(Getty Images)

デンマークで人生の新たな章を始めることは一筋縄ではいかない。だが、実現は可能だ。特に今年はデンマーク政府が欧州連合(EU)非加盟国の市民の居住への道が容易になるよう、移民政策に変更を加えたため、その傾向が顕著だ。

すでに施行されている新規則には、最低給与要件の引き下げや労働許可証の特例措置の拡大のほか、企業が特定の産業でEU非加盟国の労働者を雇用する際の手続きの簡素化や留学生の卒業時の就職活動期間の延長が盛り込まれている。

デンマークが移民要件の緩和に踏み切った理由は、他の多くの欧州諸国と同様、同国も主要産業の労働力不足に悩まされているからだ。欧州委員会によると、昨年の初め頃にはデンマーク企業の42%が採用難を訴えていた。

北欧で新たな人生の一歩を踏み出す?

デンマークはアウトドア生活やサイクリング文化、近代的な都市、北欧風デザインや建築で知られている。「ヒュッゲ(訳注:心地良い雰囲気)」の本場であり、世界で最も幸せな国の1つとも言われる。

しかし、デンマークは新たなスタートを切りたい人にとって魅力的な選択肢である一方、移民政策の緩和にもかかわらず、いまだに多くの障壁が存在している。自国にいるかのように溶け込むためには、デンマーク語を習得し、高い税金や生活費に対応し、異なる医療制度に慣れるなど、さまざまな要素を乗り越えなければならない。

それでも北欧生活を試してみたいという方のために、今年デンマークに移住する方法を紹介しよう。グリーンランドとフェロー諸島にも同様の規則が適用される。

EU市民のデンマーク移住の条件

EU市民にとっては、デンマークへの移住手続きは比較的簡単だ。労働許可証は必要ないが、移住後3カ月以内に収入があることを証明するために、当局への登録が必要とされる。EU圏内の移動の自由の条件の1つを満たしていれば、居住証明書を申請することができる。これは、デンマークに居住する権利を証明するもので、銀行口座の開設や住まいの賃貸・購入から、スポーツジムへの入会まで、デンマークではほとんどの活動に必要とされる。
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翻訳・編集=安藤清香

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