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2023.04.05 14:00

デンマークが移民要件を緩和 どうすれば移住できるのか?

非EU市民のデンマーク移住の条件

EUまたは欧州経済地域(EEA)加盟国およびスイス以外の出身であれば、デンマークでは「第三国人」とみなされ、別の規則が適用される。この場合、デンマークに長期で滞在するには居住許可が必要となる。オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国、米国など、多くの国の市民が対象となる(訳注:日本も含む)。

近親者(通常は配偶者)がデンマークで就職や留学をすることによって居住許可を取得する場合を除けば、最も一般的な取得方法は就職先を見つけることだ。

就職による居住許可の取得には、デンマークで労働力不足に陥っている産業や業種で職務経験を積んでいるか、かなり高額な給与の仕事を得る必要がある。デンマークは最近、労働力不足に陥っている産業や業種を詳細に記した技能労働リストを更新した。このリストには、科学、工学、医療、教育、IT、金融などの業界が含まれている。具体的な職業としては、理工系、経営管理系、簿記、福祉、電気工事、金属、機械、建設などの準専門職や事務職などだ。

新規則では、年収37万5000クローネ(約730万円)以上の仕事で採用された第三国人が居住許可を申請することが可能になる予定。これは、旧規則の46万5000クローネ(約900万円)と比較すると、垣根が低くなっている。ただし、雇用主がデンマーク国際就職統合局(SIRI)の認定を受けている必要がある。

そのほかには、起業や留学、オペア(訳注:家事手伝い)、亡命などが居住許可取得の道として挙げられる。このほど、デンマークの起業制度が第三国人にも拡大されることになった。すでに展開している事業でデンマークに支店を開設したい人が、一定の条件の下、居住許可を申請することができるようになったのだ。

デンマークに長期滞在すると

有効な居住許可で5年間滞在したEUまたはEEA以外の市民は、デンマークで永住権を申請することができる。それ以外の場合は、8年間の継続的な居住が必要となることが多い。永住権保持者は、9年間継続して居住した後にデンマーク国籍を申請することができるが、申請手続きには経済状況のほか、デンマーク語能力や同国に関する知識など、多くの条件が求められる。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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