オブライエン氏は「学びからインスピレーションを受けることができる、そういった場所が重要です」と語る。「ツールを使ってみることで、自分すら知らなかった自分の能力やスキルに気づけることもあるでしょう。これは、人々の創造性を高めるすばらしい方法です。今後もコミュニティーの人々とつながるために、こうしたイベントを活用していきたいと感じています」
Apple Storeは日々進化を続ける
Apple 表参道は前面が大きなガラス張りが印象的で東京駅の前にあるApple丸の内はiPhone、iPadのような意匠の窓がいくつも並んでいる開放的なデザインになっている。またロサンゼルスのApple Tower Theatreは古劇場を改造して作った店舗で、1927年に設計され1988年に閉館、以後使われていなかった劇場をアップルが芸術作品兼店舗として蘇らせたものだ。どの店舗も、ひと目Apple Storeだとわかるものでありながらその地域の歴史や文化、雰囲気を尊重したデザインになっている。世界には500以上のApple Storeがあり、現在もその数は増えている。去る3月31日には、韓国の江南に新店舗がオープンし、初日は大変なにぎわいを見せた。
「人々とつながる場所として特別感を得られるよう、顧客体験の向上のため常に調整を続けています。江南の新店舗では初めてToday at Apple用のラウンドテーブルを用意しました。円卓なのでメンバーと親密になれますし、お客さま同士の交流もできてスクリーンも見やすい。さらに奥にはピックアップエリアも用意しました。スムーズに商品を受け取れて好評だったので、新店舗でも採用しています」
Apple Storeは、アップル製品だけでなくケーブルや充電器、スピーカー、イヤフォンといったアクセサリーや周辺機器も扱っている。パネル型照明「Nanoleaf」はその中の1つで、実は日本と韓国の店舗は、桜の模様が印字されたAppleStore限定モデルを独占販売している。
「ちょうど日本が桜の時期に限定アクセサリーを出せたことをとてもうれしく思っています。今回は桜に心惹かれましたが、今後もユニークで特別なプロダクトを、適切な場面で提供できる機会があれば、展開するかもしれません」
笑顔で迎えられ、笑顔で帰る
Apple Storeで買い物をすると「ありがとうございます」だけでなく「おめでとうございます」と言われることがある。それは、アップルのツールを手に入れることで、その人が新たな可能性を得たからだ。それは、オブライエン氏が触れているように「商品ではなく顧客を中心に置く」Apple Storeのスタッフだからの言葉だろう。
ハイタッチでの入店など、日本人としては少々気遅れしてしまうこともあるが、自然と返してしまうのは不思議だ。ユーザーのことを一番に考え、体現するスタッフはいつも笑顔だ。笑顔で迎えられたユーザーはApple Storeを後にするときに笑顔になってしまうのも不思議だ。