2023.04.03

ペーパードライバーでもゴールド免許、ゴールド保有の3人に1人が自覚

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運転免許証には3つの色があります。1つ目がグリーンで運転免許証を初めて所得したとき。2つ目がブルーでグリーンの運転免許証から更新し、一般運転者と違反運転者に対して交付されるもの。そして3つ目がゴールドで過去5年間無事故・無違反の優良ドライバーに交付されるものです。

ゴールド免許証はさまざまな特典があり、更新頻度が5年とブルー免許証の3年に対して長くなったり、更新時の講習も短時間だったり、地元の警察署で更新が可能だったり、はたまた自動車保険では割引が適用されるなど、かなり厚遇です。

5年間無事故・無違反を続けることは優良なドライバーであり、厚遇になるのは納得できますが、一方でほとんど運転していないドライバー、いわゆるペーパードライバーでもゴールド免許証は交付されます。運転しなければ事故も起こさないし違反することもありませんが、それが優良なドライバーかというと、正直もやもやします。

三井住友海上火災保険が、ペーパードライバーに関する実態調査を行なったところ、ゴールド免許証を保有している76%のうち、32.2%がペーパードライバーという自覚があると回答しています。

ペーパードライバーが運転しない理由としては、女性は運転が怖いからが77%で1位。一方男性は車を持っていないからが49.5%で1位でした。女性は、運転自体の不安が強いのですが、男性は環境によって左右されていることが伺えます。

そして、ペーパードライバーの7割は3年以上運転しておらず、運転への自信度合いは100点満点中、平均が25.4点となりました。一方、ペーパードライバーから復活した人の自信度合いは、平均60.4点と、35点の差がつきました。


ペーパードライバーから再び運転するために役立てたものとしては、ペーパードライバー向け講習が45.8%でトップ。続いて、自由に練習ができるスペースの43.3%、操作しやすいコンパクトな自動車が28.3%と続きます。やはり再開に向けて練習する人が多いものの、万が一事故ったときの対策する人も意外と多くおり、運転時の不安を払拭したい気持ちも伺えます。

このように、ペーパードライバーから復活した人がいるものの、運転免許証を持ち続ける理由として、「将来的にクルマに乗るかもしれない」という人が56.3%、続いて「写真つき身分証明書として使えるから」が52.1%でした。2位の理由は、今はマイナンバーカードで代用できるため、クルマを運転する気がない人は返納するかもしれません。そうなれば、ゴールド免許証におけるペーパードライバーの割合が減るかもしれませんが、優良ドライバー=ペーパードライバーが成り立つ制度は「?」な気分になります。


出典:三井住友海上火災保険「ペーパードライバーに関する実態調査」より

文=飯島範久

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