数カ月前には、ガーナがマールブルグ病の発生を
報告。西アフリカでの発生例はこれが2度目だった。カメルーンでも感染疑い例2件が確認されている。
マールブルグ病は、発生することは非常にまれだが、深刻な病気だ。原因となるウイルスの自然界の宿主は、アフリカに生息するオオコウモリ。感染したコウモリは
無症状だが、ヒトを含む霊長類にうつると壊滅的な影響が生じる。
洞窟をすみかとするこのコウモリはアフリカに広く生息しており、
過去の感染例の多くはこの生息場所の鉱山で働く人々の間でのものだったことが
分かっている。米疾病対策センター(CDC)は、他の種の生物もマールブルグウイルスの宿主となり得るかどうかについては、さらなる調査が必要だとしている。
マールブルグウイルスは1967年、ドイツのマールブルグとフランクフルトの2都市と、ユーゴスラビアの首都ベオグラードの3カ所で、実験用サルに関連したヒトへの感染例が同時に発生したことで、初めて確認された。その後に起きた発生例として
よく知られているものには、アンゴラでの2004年から2005年にかけての流行や、コンゴ民主共和国での1998年から2000年にかけての流行があり、世界でこれまでに数百人が死亡している。
CDCは、マールブルグ病にはマラリアや腸チフスなどの他の感染症、ラッサ熱やエボラ出血熱などの出血性疾患と類似した兆候や症状が多いため、診断は「困難な場合がある」と
指摘している。
治療法やワクチンはないものの、開発途上にあるものはいくつかある。WHOは、エボラ出血熱との類似性や、マールブルグ病に対する選択肢の少なさから、エボラ出血熱の患者への使用が承認されていたり、試験中であったりする治療法やワクチンをマールブルグ病の患者にも使用できる可能性があるとしている。
米国立アレルギー感染症研究所の研究チームは1月、マールブルグワクチンの初期の臨床試験で有望な結果が得られたと
発表。今後、ガーナ、ケニア、ウガンダ、米国へと試験を拡大する
計画だ。
WHOは赤道ギニアでの感染発生を受け、研究の優先順位を示すための緊急会議を開催。できるだけ早期に標準的な治療法を確立するための取り組みを調整し、治療法やワクチンの研究を支援する方針を
示した。
(
forbes.com 原文)