キャリア

2023.03.28

Z世代の採用 企業の6割が「キャリアの価値観に変化」を感じる

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2011年、大学設置基準の改正に基づき、実質的に大学でのキャリア教育やキャリア形成・就職支援が義務となった。現在、就職活動を行う学生や新卒社員はZ世代であり、多くが大学などで何らかのキャリア教育を受けてきている。

特に昨今では、自らのキャリアについて主体的に考え、責任を持ち、形成していく、「キャリアの自律」が求められ、教育に力を入れる大学も目立つ。そうした環境下で学生時代を過ごしたZ世代の就活生や新卒社員が持つキャリアの価値観に、確かな変化を感じている企業も少なくないようだ。

新卒採用事業を手がける学情は2月20日〜28日、企業・団体の人事担当者を対象に、「Z世代の採用」についての調査を実施(有効回答数612件)。Z世代の採用や新入社員の受け入れにおいて、他の世代との違いや価値観を感じることはあるか、を尋ねたところ、「感じることがある」(24.5%)、「どちらかと言えば感じることがある」(33.5%)となり、合わせて回答の約6割を占めた。

企業の担当者からは、「自身のキャリア形成や、ジョブローテーションの制度を意識する学生が増えている」「自身が成長できるかを重視し、仕事選びをする学生が増えている」「就職活動において『ファーストキャリア』という言葉を使う学生が増えている」などといった声が。Z世代の就活生や新入社員に、「自律的なキャリア形成」への関心が高まっている傾向が窺えた。

就活生や新卒社員の価値観の変化を受け、その受け入れ方法や人事制度を変更したかを質問すると、「変更した」企業は14.4%。「変更はしていないが、変更を検討している」企業は42.5%に上り、合わせて半数以上の企業が「変更」あるいは「変更を検討している」という結果になった。 

具体的に変更したこと、または変更を検討していることについては、「研修制度」が最多で57.9%。続いて「給与体系」(42.1%)、「上司と部下のコミュニケーション方法」(41.6%)という順に。

企業の担当者からは、「人生について考える研修を新たに実施するようになった」「OJTでの研修でも学ぶべきポイントを整理するなど、教育項目の体系化を進めている」といった声や、「年功序列型の給与体系から、個人の業績・成果に連動する給与体系に変更した」「1on1を実施するようになった」といった取り組みの数々が挙げられた。

学生時代からキャリアの自律を学び、実践していこうとするZ世代が社会に出ていく中、彼らを受け入れる企業側の体制や風土は追いつくのか。若手人材の争奪戦が激しさを増す今、企業は未来をかけて変革を迫られている。

プレスリリース

文 = 大柏真佑実

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