政治

2023.03.08

「ウクライナの英雄」戦死、ロシアによる侵攻が進む中

多くの建造物が破壊されたウクライナ、バフムト。2023年2月19日(Getty Images)

ウクライナ義勇軍の指揮官で、国の最高位の表彰を受け、2022年にウクライナのForbes Under 30にも選ばれた「ウクライナの英雄」が3月7日に戦死した。昨秋のウクライナ軍反撃以来、ロシア軍のウクライナ領土進出が続く中でのことだ。

Dmytro Kotsyubaylo(ドミトロ・コチュバイロ)がウクライナ東部バフムト近くで死亡したとゼレンスキー大統領がTelegramで伝え「ウクライナと義勇軍のヒーロー、男の象徴、勇気の男」であると彼を称えた。コチュバイロは「Da Vinci(ダ・ヴィンチ)」のコードネームで知られ「Right Sector」と呼ばれる義勇兵大隊の指揮官を務めていたが、ウクライナ国軍に参加したことはなかった。

同氏は、Forbesの30 Under 30に基づき「将来国を再建するであろう」ウクライナの若者を紹介する2022年Forbes「30 Under 30: The Face of the Future」に選ばれている。

ウクライナ当局は7日、住宅地域や主要インフラも標的としているロシア空軍による猛攻の中、ヘルソンの住民に避難指示を出した。ヘルソンはロシアが占拠するクリミアのすぐ北に位置していることから、戦略的地域と考えられており、2022年のロシアによる数カ月間の占領の後にウクライナ軍が同市を奪還して以来、ここ数カ月間激化するロシアによる空襲の標的になっている。

国際連合人権高等弁務官事務所が発行した2月13日のレポートによると、これは、1年前にロシアの侵攻が始まって以来のウクライナ民間人死傷者の数は1万8995人となる。これには、7200人近い死亡者と1万1750人以上の負傷者が含まれている。死傷者の半数以上はドネツクおよびルハンスク地域で被害にあったと国連のレポートは伝えている。その大部分はウクライナが保有する領土であり、ウクライナ東部のロシアが支配する地域で記録されたのは2200人強だった。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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