シークエンスは、糖尿病治療薬のOzempic(オゼンピック)をダイエット薬として提供する月額99ドルの定額サービスを運営し、約2万4000人の利用者を集めている。同社は、オゼンピックの他にWegovy(ウェゴビー)などの薬を処方する医師と顧客をつなぎ、SNSでも話題となっているが、本来は糖尿病治療に用いる薬をダイエット目的で処方することは、一部の医療関係者の批判を浴びている。
WW社は、シークエンスの運営元に現金6500万ドルを支払い、3500万ドル相当の新株を発行するという。さらに買収の1年後と2年後にぞれぞれ現金1600万ドルを支払うことで合意した。
WW社のシマ・シスターニCEOは、ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対し「これらの医薬品がもたらす健康上のメリットは、世間の大きな期待を集めている」と述べている。
近年はオゼンピックのような糖尿病治療薬を、適応外または未承認のダイエット用途に処方する医師が増加中だが、その結果、血糖値を下げたい糖尿病患者のための薬が不足している。また、一部の医師は、摂食障害の患者や短期間のダイエットを望む人々によるこれらの薬の乱用を懸念している。
これらの薬は、インスリンの分泌を促進して血糖値の上昇を抑制することで、食後の満腹感を持続させる効果を持っている。オゼンピックはダイエット用の薬品として承認されていないが、高用量のウェゴビーは特定の過体重の患者向けに承認されている。
ウェゴビーの処方は、ガイドラインでは、肥満の患者もしくは肥満度が27以上で、高血圧や2型糖尿病などの体重に関連する問題を1つ以上抱えている人に制限するべきとされている。
2021年にThe New England Journal of Medicineに掲載された論文で、定期的に運動を行ったオゼンピックのユーザーは、摂取カロリーを減らすことで、68週間で平均14.9%の体重を減らしていたことがわかっている。
(forbes.com 原文)