2月27日にNature Medicineに掲載された研究は、エリスリトールと心臓発作、血液凝固、脳卒中および死亡のリスク上昇との相関を発見した。
エリスリトールは白色の結晶性粉末で、ほぼカロリーゼロの砂糖代用品として、羅漢果(ラカンカ)、ステビア、ケトン基を利用した還元糖などとともに用いられてきたと2017年にScience Directに掲載された研究が伝えている。
米食品医薬品局(FDA)はエリスリトールを「一般に安全と認められる(generally recognized as safe)」と分類しており、これは利用にあたって、その効果に関する長期安全性の研究が必要ないことを意味している。
糖尿病など、心臓合併症のリスクを高める基礎疾患のある人々は、血流内に高濃度のエリスリトールがあると、脳卒中や心臓発作を起こす確率が2倍高くなると本研究は報告している。
エリスリトールが使用されている食品として、低カロリーアイスクリームのHALO TOP、抗酸化飲料のBai、クラフトソーダのBlue Skyなどがよく知られている。
エリスリトールはキノコ類、ブドウ、スイカ、モモ、ナシなどの果物やビール、醤油、ワイン、チーズ、日本酒などの発酵食品の中にも自然に見られるとFood Insightは伝えている。
本論文の著者らは、エリスリトールの使用による心臓障害リスク上昇が問題なのは「人工甘味料の販売ターゲットが、まさしく将来の心血管疾患リスクの高い典型的患者たちであることです」と書いている。
90万人。これは米国心臓協会(AHA)による米国で2019年に心血管疾患(脳卒中、心臓発作を含む)で死亡した人数だ。
エリスリトールは、糖アルコールと呼ばれる化合物の一種だ。果物や野菜の中に天然に存在する炭水化物でもある。複数の研究が、エリスリトールは甘みが砂糖の約70%で、他の糖アルコールよりもカロリーが低いことを報告している。たとえば、砂糖は1グラム当たり4カロリー(kcal/g)、キシリトール(これも糖アルコール)は2.4kcal/gなのに対して、エリスリトールは0.24kcal/gだ。