製品

2023.03.01

クリエイティブの力を被災地に、復興を支援するアドビのワークショップ

今年もその日が近づいてきている。

2011年3月11日から始まる起こった東北地方太平洋沖地震による災害は、そして福島第一原子力発電所事故による災害は日本を大きく揺さぶり、多くの人の生活を変えてしまった。特に福島第一原子力発電所事故は大きな爪痕を残し、住民の立ち入りは禁止されため、浪江町、双葉町などの人たちは避難、移動を余儀なくされてしまった。

福島第一原子力発電所がある福島県大熊町も町民の立ち入りが禁止された。長い間、町から人が消えていたが2019年に同町の一部地域で避難指示は解除され、住民の帰還が実現した。昨年6月には大熊町中心部の避難も解除されている。

東日本大震災から約12年。復興が続く大熊町では、新たなまちづくりや町民の帰還、移住者の受け入れが本格化、企業誘致も進み、町に人が徐々に戻ってきている。

こうした状況において、大熊町では発進力の強化という新たな課題がある。同町では地元企業や自治体が積極的に催しなどを行っているが、一度、住民がいなくなり、人と人とのつながりが希薄になってしまったこともあってチラシの作成やSNSを使った告知がとても重要なものになっている。

クリエイティブの力で復興をサポート

2月4日、Adobe(アドビ)はデザインワークショップ「まちの広作室in大熊町」を開催した。同社は「デジタルを通じた地域の活性化」のために、さまざまな取り組みを行ってきている。この「まちの広作室」はその一環で、画像加工のワークショップだ。パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットで気軽に使えるAdobe Expressを使ったSNSやチラシ用の画像のつくり方を学ぶことができる。Adobe Expressは用意されたテンプレートを元に写真やキャッチコピーを変更してかたちにしていくため、デザインに関する特別な知識やスキルがなくても思いどおりの画像をつくることができる。


2022年7月に東京・下北沢商店街でSNSやチラシ用の画像加工のワークショップ「まちの広作室」を開催。講師はデザイナーの北沢直樹氏

会場となったのは大熊町インキュベーションセンター。小学校跡を利用した同町におけるビジネスの復興拠点だ。当日は町役場やおおくままちづくり公社の勤務者など13名が参加。地元で生まれ帰還した人や移住者など町との関わりもさまざまで、20代から40代まで年齢層も広めだ。先に東京・下北沢開催された「まちの広作室」と同じくデザイナーの北沢直樹氏が講師を務めた。


会場となったのは大熊町インキュベーションセンター。復興拠点として2022年に開所。スタートアップなどが入居している。廃校となった小学校の施設を利用している
次ページ > 大熊町の今を知ってほしい

文・編集=安井克至

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事