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2023.03.01

話題のAI「ChatGPT」、国内認知度わずか3割という現実

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何を言いたいかを伝えるだけでけっこうマトモな文章にまとめてくれたり、質問に答えたり、雑談の相手をしてくれるAIサービス「ChatGPT」が一部で大変に話題になっていますが、ウェブメディア事業や人材育成を行うユニークキャリアが行った調査では、日本人の約7割の人が、ChatGPTのことをまったく知りませんでした。

ユニークキャリアが15歳から59歳までの男女1000人を対象に調査を実施したところ、ChatGPTについて「まったく知らない」という人が67.6パーセント。「聞いたことはある」という人が19.6パーセント。説明できる程度によく理解している人は1割強でした。ほとんど知られていないと言えるでしょう。

また、ChatGPTについて簡単な説明を行い、「朝起きられないのはどうしたら良い?」という質問にChatGPTが答える動画を見たうえで、使いたいと思うかを尋ねたところ、使いたい、どちらかといえば使いたいと答えた人は合計で約4割。残りの人たちは否定的な意見でした。

使いたいと答えた人に、その理由を尋ねると、「便利そうだから」がトップでした。自由回答では、「何とおりもの答えを提示してくれていて、自分に合った解決方法を探せそうだと感じた」とか、「何をしたらわからないときに適切な対処法を提示してくれるから」、また「会話が成立するAIなんて面白い」や「検索ほりよさそう」といった前向きな意見も聞かれました。反対に、使いたくない人に理由を聞くと、必要ない、興味がわかない、信頼できないといった意見が並びました。

ChatGPTは、イーロン・マスクらが創設し、マイクロソフトも出資しているAI研究所、Open AIが開発した対話型言語モデルです。言語モデルとは、人が話したり書いたりする文章で、ある単語の次にどの言葉が使われるかを確率から予測して自然な文章を生成するというシステムです。同研究所では、GPT-3という非常に高度な言語モデルを開発し、広く利用されていましたが、これをチャット形式で簡単に使えるようにして、ウェブツールとして一般公開したのがChatGPTです。いわゆるチャットボットの一種ですが、ずば抜けて知識が豊富で文章力が高いチャットボットです。なので世界中で話題となり、一部の企業ではすでに、ChatGPTの使い過ぎによる弊害すら発生しています。

ChatGPTのほかにも、注文に応じて絵を描いたり、作曲したりするAIも近ごろでは話題です。こうした創造を行うAIを、一般に「ジェネレーティブAI」と呼びます。これが世の中をひっくり返すとまで言われていますが、その本当の影響力を理解できている人は、この調査が示すとおり少数です。

インターネットの商用利用が始まった1990年の初めごろに、インターネットなくして生活が成り立たない現代の状況を予測できたのはほんの一握りの人たちでした。ジェネレーティブAIも、いずれインターネットのように私たちの生活に溶け込んでくるのは確実です。そのとき、なんにも知らずに振り回されるよりは、ある程度の知識を持って使いこなせるようになっていたいものですね。

ChatGPTは、ごく簡単な登録手続きを英語で行う必要がありますが、登録が済めば普通に日本語で会話ができます。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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