売上高5.5%減の衝撃、iPhone後の成長戦略を問われるアップル

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こうしたライフスタイルも特に問題はないと言いたいところだが、実際には、愛用するiPhoneのパフォーマンスが2年ですっかり劣化してしまい、本当は買いたいと思う新機能がないのに、場合によっては1000ドル(約13万円)ものカネを支払って、新しい端末を買う必要に迫られているという事実がある。

一部には、iPhoneほど高価ではないスマートフォン(例えば600ドル[約7万9000円]のサムスン端末)に切り替えようとする者もいるが、アップルのエコシステムを離脱するコストはあまりに高すぎると、学生たちは考えている。そのため、まったく自分の得にならない状況であるにもかかわらず、この環境から抜け出せないでいるのだ。

アップルの株式時価総額は、一時は3兆ドル(約394兆円)に達したが、その後は下降線をたどり、現在はピーク時から21%減となっている。ニューヨーク・タイムズが伝えるアナリスト予測によれば、次の四半期(2023年3月締めの四半期)に、アップルの売上高は前年同期比でマイナス4%になるとみられている。このような状況では、投資家がアップルの株を買いたくなるような材料はほとんどない。

アップルは2010年から2020年にかけて、年平均で15.5%という急激な売上高の伸びを記録した。だが、再びこのようなペースでの売上増が期待できる、明確な成長曲線を描く製品は現在存在しない。そうしたなかで、果たして何がアップル株を押し上げる要因となるのか、筆者は疑問を覚えている。

forbes.com 原文

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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