一部には、iPhoneほど高価ではないスマートフォン(例えば600ドル[約7万9000円]のサムスン端末)に切り替えようとする者もいるが、アップルのエコシステムを離脱するコストはあまりに高すぎると、学生たちは考えている。そのため、まったく自分の得にならない状況であるにもかかわらず、この環境から抜け出せないでいるのだ。
アップルの株式時価総額は、一時は3兆ドル(約394兆円)に達したが、その後は下降線をたどり、現在はピーク時から21%減となっている。ニューヨーク・タイムズが伝えるアナリスト予測によれば、次の四半期(2023年3月締めの四半期)に、アップルの売上高は前年同期比でマイナス4%になるとみられている。このような状況では、投資家がアップルの株を買いたくなるような材料はほとんどない。
アップルは2010年から2020年にかけて、年平均で15.5%という急激な売上高の伸びを記録した。だが、再びこのようなペースでの売上増が期待できる、明確な成長曲線を描く製品は現在存在しない。そうしたなかで、果たして何がアップル株を押し上げる要因となるのか、筆者は疑問を覚えている。
(forbes.com 原文)