売上高5.5%減の衝撃、iPhone後の成長戦略を問われるアップル

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今回の売上高の減少について、クックは3つの要因があると説明していた。

ドル高:この要因は「率にして8%分の逆風」になったと、クックは説明した

中国における製造体制の問題が「iPhone 14 Pro」および「iPhone 14 Pro Max」の供給に影響を与えた:CNBCの報道によると、当四半期には、中国にある最大のiPhone組立工場が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるロックダウンの影響を受け「そこに大きな穴が開いた」とクックは説明したという

・全般的なマクロ経済環境:インフレが消費者の支出や経済成長に与える影響についての説明と見られる箇所で、クックはこう述べている。「当社を取り巻く環境が厳しいことは、我々も認識している。そこで、経費削減に努め、採用も減らしている。雇い入れる人材に関しては非常に慎重に、熟慮の上で決めている」(発言部分はCNBCの報道)

不透明なアップルの先行き

アップル経営陣は、同社で最大の売上をたたき出す製品であるiPhoneが、永遠に成長を続けるかのようにふるまっている。だがビジネスとは、そうした仕組みで動くものではない。むしろ製品は、一定のライフサイクルをたどるものだ。

最も優秀な製品の多くは、発売直後は徐々に売上を伸ばし、その後急速な成長を遂げ、これを見た競合他社が集まってくる。そこからは、市場が成熟したのち下降線をたどるが、そこに消費者の心をつかむ新たな製品が登場するというサイクルだ。

iPhoneが低落傾向にあるのは明らかだ。アップルは、学生たちに同社製品を買いたいと思わせるために、十分な努力をしているとは言えない。どういうことか、説明しよう。筆者が話を聞いた学生の多くは、メッセージングサービスやソーシャルメディア、オンライン決済など、ネット上での生活すべてをiPhoneやMacBookで済ませている。
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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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