テキサス州にあるこの施設の準備は、火星探査車「パーシビアランスローバー(愛称: Percy、パーシー)」からのサンプルが地球に到着すると予想される2033年までに整う手はずだ。
「ジョンソン宇宙センターは、アポロ計画から持ち帰られたサンプルを始めとして、世界で最も大きく、多様な宇宙関連物質のコレクションを所蔵している」。ジョンソン宇宙センター長のVanessa Wyche氏は言う。「我々の専門知識で、NASAパーセバランスローバーによって集められた、科学的に説得力のある火星サンプルを受け取るプロジェクトを管理することを楽しみにしている。」
火星サンプルリターン計画 – MSRとして知られるこの試みは、NASAによれば「これまでに最も複雑なロボット宇宙飛行キャンペーンになる見込み」で、サンプルが地球に帰還してから約10年後に開始される予定である。
地球に持ち帰られたサンプルは世界中の研究所で詳細に化学的・物理的な分析がされ、火星への人類の理解を深めることになる。火星上で使用されてる機器にはできないはずのこともできるようになるのだ。
「パーシビアランスローバーの火星での主なミッションは、「宇宙生物学」。古代の微生物生命の痕跡を含むサンプルのキャッシングである。ローバーは火星の地質と過去の気候を調査し、人類による火星探査への道を開く。火星の岩石とレゴリスを収集し、キャッシュすることが最初のミッションになるだろう。
テキサス州選出のブライアン・バビン議員は、「火星で古いサンプルを採取することは、我々の宇宙をよりよく理解するために不可欠だ。ジョンソン宇宙センターがこれらのサンプルのキュレーションにおいてNASAの成果をリードし、我々の科学的発見を前進させる重要な役割を果たすことを誇りに思う」と語った。
NASAパーセバランスローバーは現在、数十億年前に川が湖に流れ込んだと科学者が考えているジェゼロ・クレーターの周辺でサンプルを集めている。岩石や堆積物で満たされたこういった場所は、火星で古代の微生物が生きていた痕跡を探すためには最適な場所の1つといえる。
(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」から転載したものです)