スナノミ症とは、ノミの一種スナノミが人の皮膚に噛みついて入り込んみ、皮膚に目立った発疹がないのに痒くなったり、赤く痛みを伴ったりする感染症です。スナノミは、体長1mmほどと小さく、乾いた砂地に生息。アフリカや中南米などを中心に発症者が多くいます。
JICAによると、ケニア共和国ではスナノミ症の推定罹患者は約200万人と、国民の4%にのぼります。この感染症に対して治療薬や殺虫剤による予防が行われていますが、普及しておらず解決にいたっていないのが現状です。
そんな感染症に対し、佐世保高専の女子学生3人が、洗浄・除菌効果、界面活性作用および衝撃作用のあるファインバブル(粒径が100ミクロン未満の小さな泡)を活用することで、感染しやすい足の裏を洗浄する習慣づけされれば、感染を防げるのではと考えました。
ただ、ファインバブルを発生させるには、大量の水が必要なため、ケニアの水資源や電力事情を考えると導入は難しい状況。そこで、電力を使わずに少ない水で誰でも簡単に作れる装置を開発。「エジェクタ」と呼ばれるファインバブル発生装置を開発し、歯間の家庭用農薬散布機の噴出口にそれを装着。ポンプタイプで加圧することで液体を噴出したとき、ファインバブルが発生することに成功しています。
この装置を使って実証実験を行いたい彼女たちは、日本には生息しないスナノミを求めて、ケニアへ渡航し、水による洗浄だけでなく、薬剤などを組み合わせてより効果的な駆除についても検証したいと、今回の支援プレジェクトを立ち上げています。
いちおう、リターンも用意されていて、スナノミキーホルダーやポーチ、本プロジェクト報告会への招待や活動報告書の送付、佐世保高専学内ツアーなどを予定しているとのこと。学生主導のこうした活動を支援するプロジェクトは、ほかにもいくつかあります。興味のわいた活動に支援してみてはいかがでしょう。
プロジェクト:「アフリカにおけるスナノミ感染症予防技術の開発プロジェクト」